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1992 年度 実績報告書

マウス肝細胞増殖因子の肝再生促進作用と肝障害治療効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03671051
研究機関岡山大学

研究代表者

合田 栄一  岡山大学, 薬学部, 助教授 (20028814)

キーワード肝細胞増殖因子 / 初代培養肝細胞 / 肝障害 / 肝再生 / 肝がん細胞
研究概要

昨年度までの研究で我々は、四塩化炭素による肝障害マウスの血中及び肝臓中に障害肝の再生に先行してマウス肝細胞増殖因子(mHGF)が著しく増加することを見出し、同障害肝から高濃度(1.7M)食塩を含む緩衝液を用いて本因子を抽出後、高度に精製することに成功している。mHGFは約6.2万と3.1万の2本のペプチド鎖がS‐S結合したヘテロダイマーで、ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)と極めて類似した性質を示す。本年度の研究では、まず、初代培養ラット肝細胞にmHGFやhHGFを添加するとD-ガラクトサミンにより肝細胞障害が抑制されるか否かについて検討した。その結果、肝細胞DNA合成を十分に誘導する濃度(10〜30ng/ml)のmHGF、hHGFによっても肝細胞障害は軽減されるまでには至らなかった。次にhHGFの各種培養細胞に対する増殖刺激作用の有無に関して調べた。まず、分化型ヒト肝がん細胞の増殖に対するhHGFの作用は、増殖促進(HuH‐6 Clone5)、増殖抑制(Hep G2)及び無影響(HLE、HuH‐7、PLC/PRF/5)に分かれた。今回hHGFによって影響を受けなかった細胞株はいずれも成人型肝がん細胞株で、一方、何らかの効果が認められたものは両株とも肝芽腫細胞株であった。このことが普遍的であるかについてはさらに細胞株を増やして検討する必要がある。さらに、従来、線維芽細胞はhHGFには応答しないと言われていたが、ヒト皮膚線維芽細胞の増殖はhHGFによって促進されることを見出した。我々は本細胞が少量のhHGFを産生・分泌することも見出しているが、本細胞の増殖がhHGFによってオートクリン的に促進されるか否かについてはさらに詳細な検討を要する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Hayashi et al.: "Characterization of a mouse hepatouyte growth-stimulating factor in serum of mice treated with carbon tetrachloride" Chem.Pharm.Bull.40. 452-455 (1992)

  • [文献書誌] E.Gohda et al.: "Purijication and characterization of a mouse hapatocyte growth-stimulating factor from the liver of carbon tetrachloride-treated wice" J.Pharmacobio-Dyn.15. 131-137 (1992)

  • [文献書誌] E.Gohda et al.: "Phorbol ester-induced sectetion of human hepatocyte growth factor by human skin fibroblasts and its inhibition by dexamethasone" FEBS Lett.301. 107-110 (1992)

  • [文献書誌] E.Gohda et al.: "TGF-B is a potent inhibitor of hepatocyte growth factor secretion by human fibroblasts" Cell Biol.Int.Rep.16. 917-926 (1992)

  • [文献書誌] H.Tsubouchi et al.: "The role of HGF-SF in animal and human hapatic physiology and pathology" Hepatocyte Growth Factor-Scatter Factor (HGF-SF)and the c-MET Receptor. 251-274 (1993)

  • [文献書誌] H.Kataoka et al.: "Stiwulation of DNA synthesis in human skin fibroblasts by human hepatocyte growth factor/scatter factor" Cell Biol.Int.Rep.17. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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