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1992 年度 実績報告書

トポイソメラーゼ阻害剤による白血病細胞の分化誘導機構

研究課題

研究課題/領域番号 03671063
研究機関昭和大学

研究代表者

中谷 一泰  昭和大学, 薬学部, 教授 (40053855)

キーワードトポイソメラーゼ / 白血病 / 白血病細胞 / 分化誘導 / 分化 / トポイソメラーゼ阻害剤 / カンプトテシン / VP16
研究概要

我々は、トポイソメラーゼIの阻害剤であるカンプトテシンとトポイソメラーゼIIの阻害剤であるVP16が、種々のヒト白血病細胞を共通の機構で分化誘導することを明らかにした。またガマの皮膚腺からの分泌液中のブファリンもトポイソメラーゼ阻害剤とは異なった機構で白血病細胞を分化誘導することを示した。本年度は、トポイソメラーゼ阻害剤による白血病細胞の分化誘導機構を明らかにするために、カンプトテシンおよびVP16の白血病細胞の細胞周期に対する影響、癌遺伝子発現に対する影響、および、タンパク質リン酸化反応に対する影響を調べ、ブファリンやレチノイン酸による影響と比較した。レチノレン酸は細胞周期をG1期で止めるのに対して、カンプトテシン、VP16、ブファリンはG2期からM期への移行を阻害した。癌遺伝子c-mycの発現はいずれの分化誘導剤も低下させた。プロテインキナーゼ活性に対しては、カンプトテシン、VP16、ブファリンがプロテインキナーゼCおよびプロテインキナーゼA活性を低下させたのに対し、レチノイン酸はこれらの活性を増加させた。cdc2キナーゼ活性に対しては、カンプトテシン、VP16、ブファリンが増加させたが、レチノイン酸処理では変化しなかった。これらの結果は、白血病細胞の分化誘導剤をその分化誘導機構の違いからカンプトテシン,VP16、ブファリンのグループとレチノイン酸とのグループに分類できることを示している。また、このお互い異なったグループ間の分化誘導剤を白血病細胞に対して併用したとき,分化誘導の相乗効果が大きいので、この二つのグループ分けは分化様誘導療法を考える上にも有用である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中谷 一泰: "Topoisomera inhibitors have potent differentiation-inducing activity for human and mouse myeloid leukemia cells." Jpn.J.Cancer Res.82. 184-191 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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