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1992 年度 実績報告書

ヒト好中球スーパーオキサイド産生酵素に関与する未知の細胞質因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03671086
研究機関熊本大学

研究代表者

布井 博幸  熊本大学, 医学部, 助手 (50218260)

キーワードスーパーオキサイド産生酵素 / 細胞質因子 / 低分子G蛋白
研究概要

慢性肉芽腫症(ChronicGranulomatousDisese:CGD)は反復重症細菌感染症に罹患することの多い先天性疾患であり、この病因は食細胞スーパーオキサイド産生酵素活性欠損である。この酵素は、分子量91kと22kのチトクロームb558膜蛋白と我々の報告した分子量47k,67kと昨年我々が神戸大学の高井教授と協同で同定した第3の細胞質因子(低分子量G蛋白:rac1/2)から構成されることが明らかになった。本年度は、さらにこのrac1/2蛋白のC末の脂質化が活性化に重要であることをも明かにした。また本邦の約100名CGD患者の病型分類を終了し、この調査で発見された8名の細胞質因子欠損患者のEBV tarnsformed cellを作製し、その中で今回は5名の67K細胞質因子欠損型慢性肉芽腫症についてRT-PCR法と直接シークエンス法でその遺伝子解析を行なった。その結果、一例は423塩基後にAGの2塩基が挿入されており、フレームシフトをおこし、第144番目のロイシンが終止コドンとなっていた。またもう一例は694から879塩基の186塩基が欠失しており、p21srcと相同性のある蛋白部分(SH3)が欠損した変異蛋白を作っている可能性があったが、ウエスタン、ブロット法で変異67K蛋白を確認出来なかった。他の3名については、566番目と1007番目のアデニンがグアニンへ変異し、いずれもアルギニンからリジンへのアミノ酸置換が確認されたが、これらが病因となる変異かどうか検討中である。この様に、ほぼ本邦の細胞質因子欠損型CGD患者についての概要とその遺伝的背景を検索できる様になってきた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 布井 博幸: "スーパーオキサイド産生機構とその制御機構" SODの基礎と臨床(谷口 直之、服部 幸輝、浅田 浩二、井上 正康 編). 110-116 (1992)

  • [文献書誌] 布井 博幸: "慢性肉芽腫症の分子機構" Medico. 23. 7-10 (1992)

  • [文献書誌] 布井 博幸: "慢性肉芽腫症の分子生物学による解析" 小児医学. 25. 1067-1084 (1992)

  • [文献書誌] 布井 博幸: "慢性肉芽腫症の成因とその分子機構" Annal review 血液 1993. 96-103 (1993)

  • [文献書誌] Takakazu Mizuno: "Requlation of the superoxide-generating NADPH oxidase by a small GTP-binding protein and its stimulatory and inhibitory GDP/GTP exchange proteins" J.Biol.Chem.267. 10215-10218 (1992)

  • [文献書誌] Satoshi Ando: "Post-translational processing of rac p21s is important both for their interaction with the GDP/GTP exchange proteins and fro their activation of NADPH oxidase." J.Biol.Chem.267. 25709-25713 (1992)

  • [文献書誌] A.Aoyagi: "Role of Mg2+ in activation of NADPH oxidase of human neutrophils:evidence that Mg2+ acts through G-protein" Biochem.Biophys.Res.Comm.186. 391-397 (1992)

  • [文献書誌] Shinya Matsuura: "Leukocyte Adhesion Deficiency:Identification of novel mutations in two Japanese patients with a severe form" Biochem.Biophys.Res.Com.184. 1460-1467 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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