研究課題/領域番号 |
03671095
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 茂 東京大学, 薬学部, 助手 (60160503)
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研究分担者 |
樋口 恒彦 東京大学, 薬学部, 助手 (50173159)
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
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キーワード | テトラヒドロイソキノリン類 / キョ-トルフィン / 鎮痛活性 |
研究概要 |
我々は既に内在性アミン及び覚醒剤等を例に用いて生体内環化縮合反応の一般性を証明してきた。本研究において我々は、「芳香族アミノ酸はC1ユニットを得て縮合閉環すれば安定な型である窒素を含む6員環を形成することが化学的に可能である。」という点に着目した。 まず第一に上記化合物群の化学合成を行いフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジンの環化縮合体をそれぞれ数百mgの単位で得ることが可能となった。 生体内においてこれら芳香族アミノ酸の縮合物質の存在を証明するべくGCーMSをもちいて検討を加えた。現売までのところ生体内夾雑物質の妨害で上記化合物群の同定には至っておらず、今後の検討課題である。 更に生成した環化縮合体は、パ-キンソン病発症関連化合物であるテトラヒドロイソキノリン誘導体及びGABAリセプタ-に高親和性を示すテトラヒドロβカルボリン骨格等を有するため中枢神経系においての生理活性が期待できる。そこで鎮痛活性を有するジペプチドであるキョ-トルフィンのチロシン残基を縮合環に変換した誘導体を合成し薬理効果をtailーflick法を用いて検討した。実際にはマウス腹腔内に10mg/Kg投与するとコントロ-ル群に比較して有意な鎮痛活性を示した。キョ-トルフィンは末梢投与では薬効を示さないので、この点において腹腔投与でも薬効を示す本化合物はキョ-トルフィンとの比較においても優れていると考えられる。さらに薬効持続時間は1時間以上にもわたることもあきらかにしたので、鎮痛薬の新しいリ-ド化合物候補として期待が持てる。
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