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1991 年度 実績報告書

ヒト前立腺肥大症における前立腺α_1^-アドレナリンレセプタ-特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03671102
研究機関静岡県立大学

研究代表者

山田 静雄  静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (80106434)

キーワード前立腺肥大症 / 前立腺 / α_1^-レセプタ- / ラジオレセプタ-アッセイ / [ ^3H]プラゾシン / α_1^-拮抗薬 / レセプタ-結合動態
研究概要

[ ^3H]プラゾシン(Pra)を標識リガンドとするラジオレセプタ-アッセイ法によりヒト前立腺におけるα_1^-レセプタ-(R)測定の基礎的検討を行い、次いで、α_1^-拮抗薬のR結合動態について検討した。[実験成績]1.前立腺肥大症患者の外科的手術時に摘出した前立腺より調製した粗細胞膜において[ ^3H]Praの特異的結合が認められ、この結合は飽和性、高親和性、可逆性および薬理学的(立体)特異性を示した。スキャッチャ-ド解析より算出した解離定数:Kd値は0.35nM,最大結合部位数:Bmax値は545fmol/mg proteinであり、これよりヒト前立腺には高密度のα_1^-Rの存在することが示唆された。2.前立腺への[ ^3H]Pra結合はプラゾシン、ブナゾシン、テラゾシン(いずれもキナゾリン誘導体)、YM617(フェネチルアミン誘導体)、ナフトピジルやウラピジル(フェニルピペラジン誘導体)などの各種α_1^-拮抗薬により抑制され、その抑制定数Ki値より求めた抑制効力は、YM617>プラゾシン>ブナゾシン>テラゾシン>ナフトピジル>ウラピジルの順であった。これら薬物の結合親和性は薬理活性(カテコ-ルアミンによる前立腺収縮阻害効力)とよく相関した。また、スキャッチャ-ド解析によりα_1^-拮抗薬は前立腺への[ ^3H]Pra結合のBmax値にはほとんど影響を与えず、Kd値を2^-3倍有意に増加させることが明らかとなった。3.次に、これらα_1^-Rに対する結合の可逆性を調べるために前立腺粗細胞膜を各薬物に作用させ、遠心法により洗浄を行い、[ ^3H]Pra結合の抑制率を測定した。その結果、α_1^-拮抗薬による[ ^3H]Pra結合の抑制率は約50%であったが、洗浄後いずれの薬物でも0ー20%に有意に減少した。すなわち、[ ^3H]Pra結合の対照値への回復が認められた。以上の結果よりα_1^-拮抗薬は前立腺α_1^-Rへ競合的かつ可逆的に結合することが明らかとなった。また、ヒト前立腺を用いたα_1^-R測定法は新規α_1^-拮抗薬の簡便かつ高感度なスクリ-ニング法となることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamada,S.,Suzuki,M.,Matsuoka,Y.,Kato,Y.,Kimura,R.,Maruyama,M.& Kawabe,K.: "[ ^3H]Bunazosin,a novel selective radioligand of alpha_1 adrenoceptors in numan prostates" Journal of Urology. 146. 877-880 (1991)

  • [文献書誌] Yamada,S.,Suzuki,M.,Kato,Y.,Kimura,R.,Mori,R.,Matsumoto,K.,Maruyama,M.& Kawabe,K.: "Binding characteristics of naftopidil and _l^-adrenoceptor sntagoーnists to prostatic -adrenoceptors in benign prostatic hypertrophy" Life Sciences. 50. 127-135 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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