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1991 年度 実績報告書

血中ド-パミン濃度測定法の開発と臨床検査への応用

研究課題

研究課題/領域番号 03671111
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

吉村 学  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40094453)

キーワードド-パミン / 遊離型と抱合型 / カテコラミン / 脱抱合 / HPLC / 臨床検査 / 高血圧症 / 副腎機能異常症
研究概要

血中ド-パミンはその0.3%が遊離型で存在し,他の99.7%が硫酸又はグルクロン酸抱合型で存在するため,遊離型カテコラミンを測定する従来のHPLCでは測定感度以下となり,未だ血中ド-パミンの病態生理的役割が明らかでない。本研究ではジフェニ-ルエチレンジアミンによる蛍光検出法を用いて,フェリシアンイオン存在下で100℃の高温反応を行って,カテコラミンをプレラベルして測定した。即ち,プレカラムTSKCA1と移動相である過塩素Na,クエン酸Na,アジ化Naにてカテコラミン吸着を行い,陽イオン交換ゲルであるTSKCA2カラムと移動相としてアセトニトリル,クエン酸Naにてカテコラミンを吸着し,TSKカテコ-ルパックとエタノ-ル,硝酸アンモニウムにて分離を行い,その各分画の蛍光検出を行った。限界検出感度はアドレナリン0.01pmol/ml,ノルアドレナリン及びド-パミンは0.03pmol/mlであり,微量の血中遊離型ド-パミンの測定は可能となった。本法は東ソ-株式会社の支援の基に行った。本測定法による健常者の血中濃度は5ー20pg/mlであった。立位や座位にて高値を示し,安群にて低値を示したことから,採血前20分の臥位が必要と考えた。血中遊離型ド-パミンは他のカテコラミン同様失活し易く,EDTAなどのキレ-ト薬使用が必要であった。血漿の保管は-20℃にて100日間冷凍保存してその濃度の推移を検討したが,冷凍にて脱抱合を来した。冷凍-20℃で1週間以上の保存では測定値が採血直後測定値と大巾に異なることから,-80℃冷凍保存は必須と考えられた。本法を臨床検査に応用すると,高血圧症や副腎機能異常症の診断が容易になり,又β遮断薬や抗パ-キンソン薬使用患者の同定が可能となった事から,今後は疾病や症例数を増して臨床検査的解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] MANABU YOSHIMURA: "Role of plasma dopamine for regulation of blood pressure in man" 4th International Conference on peripheral dopamine. June18. (1992)

  • [文献書誌] 吉村 学ほか6名: "運動負荷時の遊離型並びに抱合型カテコラミンの動態と生理的意義" 第65回日本内分泌学会学術総会. 5月28日. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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