研究課題/領域番号 |
03671112
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
吉岡 芳親 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00174897)
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研究分担者 |
玉川 芳春 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30006770)
安田 直毅 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20201824)
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キーワード | NMR / magnetic resonance spectroscopy / brain tumor / lung cancer / differential diagnosis / tissue characterization / discriminant analysis / pattern recognition |
研究概要 |
臨床用及び分析用の核磁気共鳴(NMR)装置を用いてin vivo及びin vitroのNMRスペクトルデ-タを蓄積すると共に、本年度購入したコンピュ-タ-を用いて、多変量解析によりin vitroのデ-タを解析し、診断の的中率を求める手法を確立した。まず、組織間で有意差が有り、識別に有効であろうと考えられた変数を用いて解析した。脳組織においては、正常組織と腫瘍組織との識別は、93%の的中率が可能であった。また、臨床上で鑑別診断が問題となる場合を想定して識別力を見た。悪性度が問題となるglioma系脳腫瘍のlow grade astrocytoma、gliblastoma、ependymomaの鑑別は、80%の的中率が可能であった。また、小脳橋角部に発生したときに、鑑別が問題となる事のあるmeningiomaとneurinomaでは、100%の的中率が得られた。肺組織においては、正常組織と癌組織との識別では、的中率91%であり、扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌の各組織系の識別では、的中率82%であった。特に、症例数の多い扁平上皮癌と腺癌の識別では、的中率95%であった。以上の如く、NMRスペクトルから得られる情報を用いれば、識別が十分可能である事を明らかにできた。これらの成果の一部は学会において口演発表し、また、論文として発表した。in vivoのデ-タは、蓄積中であるが、in vivoでは、今までの用いてきた各種物質の濃度に関する情報のみならず、緩和時間(イメ-ジングにおいて、組織間の差を強調するために利用されている)の情報やpHに関する情報も同時に得られ、これらの情報も併用できる事が解った。これらの変数も識別に有効だと考えられるので、in vivoでは、濃度の情報と併せてデ-タを蓄積中である。
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