研究概要 |
血液センター検診医により成分献血者のより適切な健康管理を実施することを目的として光カードシステムを導入し,10名の血液センター職員(成分献血者)を対象に,個人情報,献血情報,検査結果情報を入力した.その結果,【.encircled1.】各血液センサーのホストコンピューターの機種およびデータフォーマットの様式が異なっており,入力用のアプリケーションソフトをそれぞれ作成する必要があった.【.encircled2.】今回使用した光カードは,2.5MBの記憶容量で,1フィールドが1KBに割り当てられており,献血記録としては十分な容量を備えていると思われた.また,従来の献血手帳と同サイズであり,携帯性にも優れており,街頭や駅前の献血センターなどでの献血には適していると思われた.【.encircled3.】また,今回使用した光カードでサポートされているのは,MS-DOSのみであったが,複数のOS上で同等に動くようにするのがのぞましく,現実の医療の現場で応用されるためには,数年から時には十数年以上のサポートとスムーズなアップグレードが必須であると考えられた.【.encircled4.】かなり長期の経時的な検査データが比較的短時間(1〜2分)で表示されることにより,検診医にとっては,個人の健康状態の推移や献血の影響を即座に視覚的に認識できるようになり,検診の見落としは少なくなると考えられた.また,現実に異常値が出現する前に異常傾向を察知し,検診医がより適切なアドバイスを行なうことも可能であると考えられた.【.encircled5.】今後,別の医療機関や血液センター間でデータフォーマットが統一されれば,献血者にとっては生涯にわたる健康情報を個人で所有することができ,健康管理・増進にも役立つと考えられた.
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