研究課題/領域番号 |
03671121
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 禮子 千葉大学, 看護学部, 教授 (90132240)
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研究分担者 |
吉田 千寿 千葉大学, 看護学部, 助手 (00241977)
武田 祐子 千葉大学, 看護学部, 助手 (80164903)
井上 智子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (20151615)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | がん患者 / 手術 / ストレス / リラクゼーション |
研究概要 |
がん疾患に対する最大の根治的手段である手術療法は、科学技術の進歩に伴い、その適用範囲を拡大し、最先端医療として益々高度化しつつある。しかし我が国のがん患者を取り巻く治療環境は、告知問題、切除に伴う身体の変形、苦痛を伴う検査や処置、術後の痛み、そして死への不安や恐怖、制限された入院生活による精神的刺激などが複雑に絡み合い、合成されたストレス状況を生み出している。本研究では、手術前後の様々な治療過程にある患者のストレス状況を、身体的、心理的、社会的な側面から定量的測定を行い、ストレスが患者の回復過程に及ぼす影響を分析し、がん手術患者はのストレス軽減に有効な看護援助の方法を検討することを目的とした。患者が体験しているストレス状況の実態は、病歴調査と臨床調査によって明らかにした。(1)病歴調査の概要:がん患者34例、非がん患者16例、合計50例について調査した。がん患者34例中5例に「癌」の言葉が用いられ、3例に「悪性」或いは「悪性の疑い」という表現が使用されていた。術前の病気や手術に関する患者の反応や心理的状況の記載は16例であった。術後の患者の心理的反応の記載は少なかったが、ストレス要因としては、創痛、不眠、同一体位の苦痛、胃管、口渇、ストマや乳房切除等による身体の変形があった。(2)臨床調査の概要:全身麻酔で手術をうけるがん患者17例、非がん患者7例について入院時、術前、退院前の顕在性不安レベルの測定(MAS)および手術前後のストレス状況調査を行った。入院時のMAS平均得点は、がん患者18.82点、非がん患者17.57点であり、統計的に有意差はなかった。これは癌の病名告知が4例のみであったためと推察した。ストレス軽減の方法としては、体感音響システムを用いた先行研究に従って、がん患者及び手術患者への適用による継続調査を行った。心身の弛緩の効果は、患者の自己統制力を増大させ、精神的安定感を高めていた。
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