本研究の目的は、看護教育への指針を得るために、看護の基礎教育機関である大学、短期大学、看護学校のそれぞれの課程の卒業生にどのような特性(能力)を期待されるかについて、看護教育の専門家と看護実践の専門家の意見を明らかにすることである。平成3年度は、研究に関連のある情報の収集(文献検討を含む)と研究方法の具体化、および質問紙の作成に焦点をあてた。平成4年度は、第一次調査として、看護学校、短期大学、大学の教員と看護婦を対象に各々の教育課程の卒業生が身につけている能力のうち重要と思われるものから優先順位の高いものについて自由記載による質問紙調査し、能力特性をいくつかのカテゴリーに分類し、二次調査に向けて質問紙作りに着手した。平成5年度は前年度に引続き、看護婦の能力特性を示す質問紙の作成を続行した。第一次調査の質的なデータをできるだけ生かした質問項目であること、教育課程別の差がでるような尺度の選択に留意した。プレテストを繰り返し、最終的には5段階のライカートスケールによる質問紙にした。質問紙の内容妥当性の検証は3名の専門家で行った。研究対象者は看護教員については平成4年度と同じ対象者としたが、臨床看護婦は一人で回答する質問項目が多すぎるために平成4年度の対象者にも研究協力を依頼した。質問紙は郵送法で送付し回収した。結果はコンピュータに入力し、分析し、まとめている。
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