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1992 年度 実績報告書

動脈硬化発症におけるコレステロールエステル転送蛋白とアポ蛋白Eの意義

研究課題

研究課題/領域番号 03671134
研究機関帝京大学

研究代表者

寺本 民生  帝京大学, 医学部, 助教授 (20133077)

研究分担者 木下 誠  帝京大学, 医学部, 講師 (70186295)
松島 照彦  筑波大学, 臨床臣学系, 講師 (60199792)
キーワードコレステロールエステル転送蛋白 / アポ蛋白E / コレステロール逆転送 / アポ蛋白E欠損症 / CETP欠損症
研究概要

本研究では動脈硬化発症に対して予防的と考えられるコレステロール逆転送系の調節機構を解明するため、コレステロール逆転送系におけるアポ蛋白EとCETPの意義並びにアポEとCETPの相互作用について検討することを立案し、本年度は特にアポEのCETP活性に対する影響について検討した。
アポEを含まないVLDLはアポE欠損症患者の血清より超遠心法を用いて調整した。このVLDLをアポEと孵置しアポE含有VLDL(E-VLDL)を作製した。脂質の転送活性を見るため^3H標識中性脂肪(TG)もしくは^<14>C標識コレステロールエステル(CE)を含む人工リポゾームを用いてリポ蛋白との間でコレステロールエステル、トリグリセリドの転送を検討した。リポゾームとE-VLDL,C-VLDLをCETP存在下,非存在下で孵置し、TGとCEの転送を検討した。CETP非存在下では、E-VLDL,C-VLDLともに脂質の転送はほとんど認められなかったがCETP存在下では、E-VLDLはC-VLDLと比較して有意により多くのTG及びCEの転送が観察された。以上のことよりVLDL上にアポEが存在することにより、CETPを介した脂質転送が活発になっていることが示唆された。CETPの活性化にはリポ蛋白との結合が重要であることが知られているので、CETPとVLDLとの結合を検討した。E-VLDLとC-VLDLをCETPと4℃にて30分間孵置したのちカラムにて分離したところ、E-VLDLのほうがCETPへの結合性が高いことが確認された。以上より、アポEは血清のCETP活性を介した脂質の転送を促進することが確認された。通常、アポEは細胞からの脂質転送を介したコレステロール逆転送系の初期作用において重要な作用を有すると考えられていたが本研究によりコレステロール逆転送系の要と考えられるCETPの活性をアポEが調節してると考えられ、アポEの動脈硬化予防における意義が強調される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kurosaka D.Teramoto,T.,Matsushima T.,et al: "Apolipoprotein E dificiency with a depressed mRNA of normal size." Atherosclerosis. 88. 15-20 (1991)

  • [文献書誌] Higashihara M.,Kinoshita M.,Teramoto T.,et al: "The role of apo E in inhibifory effects of apo E・rich HDL on plateklet function." FEBS. 282. 82-86 (1991)

  • [文献書誌] Higashihara M.,Kinoshita M.,Kane,S.,Teramoto T.et al: "Inhibition of plutelet function by high-density lipopitein from a patient with apolipoprotein E dificiency." Biochim,Biophys,Res.Commun.181. 1331-1336 (1991)

  • [文献書誌] Yasuhara M.Ohama T.,Matsuki N.……Teramoto T.: "Induction of fatty liver by fosting in guncus" J.hipid Res. 32. 887-891 (1991)

  • [文献書誌] Kinoshita,M.,Arai,H.,Fukasawa M.,…Teramoto T.: "Apolipoprotein E enhances lipid exchange between lipopicteins mediated by cholesterol ester transfer protein." J.hiopid.Res.

  • [文献書誌] Tsukamoto,K.,Watanabe,T.,Matsushima.T.…Teramoto T.: "Determination by PCR-RFLP of apo E genotype in a Japanese population." Lab.Clin.Med.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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