既知のG蛋白共役型受容体の塩基配列のうち膜貫通領域でhomologyの高い部分をMacvectorDNA解析プログラムで検索し、2、3、5、6、7番の招貫通領域でイノシンを用いたdegenerate primerを作製した。これらprimerを種々に組み合わせたPRCで、クロンテック社の末端肥大症腺腫のcDNAライブラリ-、及び我々の病院で摘出された末端肥大症腺腫から作ったcDNAライブラリ-から未知G蛋白共役型受容体のDNA断片の増幅を試みた。ただ、これらのライブラリ-には質、量的に限界がある可能性もあるので、最近、井上らによって確立されたGRF受容体を持つラツト下垂体腺腫のcell lineであるMtTーSの提供を受け、このcell lineからもcDNAライブラリ-を作製し、スクリ-ニングの対象にくわえた。3番と6番の膜貫通領域のprimerでPCRを行った所、G蛋白共役型受容体の一部として妥当なサイズの0.5ー1.0KbのPCR産物をえたので、このバンドを分離し、subcloningした。DNA sequencerを用いた、dye primer法による塩基配列の決定で、既知のG蛋白共役型受容体とhomologyの高い2っのクロ-ンを得た。このDNA断片のアミノ酸配列を解析すると2っの膜貫通領域と思われる疎水性の強い領域が認められ未知G蛋白共役型受容体の可能性が高かった。さらに、このcDNAの全塩基配列を決定すべく、得られたDNA断片をprimerとして、cDNAライブラリ-のプラ-クハイブリゼ-ションを行って、数個の陽性プラ-クを単離した。現在、これらの塩基配列を決定しつつあり、さらにfull cDNA近い物であれば、発現ベクタ-に組み込んで、transfection後、結合実験を行い目標とする、GRFもしくは、ソマトスタチンの受容体であるかどうか検討する。
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