研究課題/領域番号 |
03671155
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
末廣 正 高知医科大学, 医学部, 講師 (70136381)
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研究分担者 |
武田 京子 高知医科大学, 医学部, 助手 (30243827)
安岡 伸和 高知医科大学, 医学部, 助手 (50166500)
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キーワード | PCR / GCワランプ / 変性密度勾配電気泳動 / アポリポ蛋白E / 遺伝子 / 変異種 / SSCP |
研究概要 |
人血中アポリポ蛋白を(アポE)のレセプター結合ドメイン部(アミノ酸配列140-160番目)内のDNA点変異をスクリーニング的にみつける目的で、平成3年度にpolymerase chain reaction(PCR)とGCクランプ法を用いた変性密度勾配電気泳動法を確立した。本年度は本方法を用いて高脂血症IIa型、IIb型、III型、IV型の50症例を検討した。その結果、バセドウ氏病に高脂血症を伴った1症例から、既に報告しているアポE-Kochiと同じ泳動パターンを示す変異種が発見され、さらに、患者の家族調査の結果、父親に同様の異常を認めた。本患者のアポEのDNAの直接シークエンスで145番目のarginine codon(CGT)がhistidine(CAT)に変異していることを確認した。アポEの同ドメイン部の変異のスクリーニングのため、さらに、Single Strand Conformation Polymorphism(SSCP)解析法を新たに開発した。本法はゲノムDNAから同ドメイン部DNA断片をPCRで増幅し、これをNaOH変性後、ポリアクリルアミドゲルにて泳動し、エチジウムブロマイドで染色するものである。本方法はアポEの各isoformであるアポE2.E3.E4.のDNAの区別が明確にでき、上記、アポEの変異種も同定できた。本SSCPはゲノムDNAから6時間で結果が分かること、非アイソトープ法であることより、アポE変異種のスクリーニングに非常にすぐれた方法である。今後、これらの方法を用いてアポEの変異種が原因となる高脂血症の症例を集積していく。
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