研究課題/領域番号 |
03671169
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
高松 順太 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00140137)
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研究分担者 |
吉田 滋 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
坂根 貞樹 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10235161)
内海 隆 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30104300)
大澤 仲昭 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90010090)
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キーワード | バセドウ病 / T_3優位型バセドウ病 / トリヨ-ドサイロニン / 甲状腺ペルオキシダ-ゼ / 甲状腺刺激性抗体 / 甲状腺 / 脱ヨ-ド酵素 / アイソト-プ治療 |
研究概要 |
1.カップリング実験 各患者ごとに甲状腺ペルオキシダ-ゼを抽出し、カップリング反応をおこさせて、T_3およびT_4の生成を測定した。甲状腺組識は、バセドウ病に対する甲状腺亜金摘手術の際に得られた。カップリング反応にて生成されたT_4量は、本症患者と通常バセドウ病との間に有意差はなかったが、生成されたT_3量は、本症患者の方が有意に高値であった。 2.FRTL細胞培養 CAMPの反応性は、ヒトTSHに対しては認められたが,患者IgGに対しては乏しかった。新しく、FRTL細胞株を入手し、再検討中である。 3.血清中ヨウ素含量 本症患者の血中ヨウ素含量は、通常バセドウ病のそれと、著しい差異はなかった。このことから、本症患者では、食餌中ヨ-ド量が少ないことがT_3優位の原因とはなっていないことが示唆された。 4.抗甲状腺剤とサイロキシン製剤の併用 サイロキシン剤を併用することにより、高値であった血中T_3/T_4比は正常域へと低下した。このことから、本症における血中T_3値の優位の原因が、末梢組識でのT_4脱ヨ-ド酵素活性亢進によるのではなく、甲状腺内でのT_3産生および分秘が優位であるためと考えられた。現在、通常のバセドウ病患者にも本治療を行ない、その差を検討中である。また、サイロキシン併用により、本症の変解率が向上するか否かについても追跡している。 5.手術・アイソト-プ、薬物の3種の治療法の予後 薬物すなわち抗甲状腺腺剤治療における変解率は約10%と低かった。現在、手術例、アイソト-プ治療例についても追跡中である。
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