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1991 年度 実績報告書

ATLおよびHTLVーI感染細胞に特異的なガングリオシド分子の発現機構と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 03671191
研究機関長崎大学

研究代表者

古川 鋼一  長崎大学, 医学部, 助教授 (80211530)

研究分担者 山田 恭暉  長崎大学, 医学部, 助手 (60145232)
キーワードATL / ガングリオシド / HTLVーI / 糖転移酵素 / p40^<tax> / GD2 / トランスアクチベ-ション
研究概要

ATLおよびHTLVーI^+細胞表面のガングリオシド発現を、モノクロ-ナル抗体を用いて検討した結果、GD2の特徴的な高発現が認められた。患者からのATL細胞をILー2存在下で培養すると、GD2の発現が約1週間で40〜70%に上昇してくるが、これはHTLVーIゲノム発現(env,p40^<tax>)と併行していた。レトロウイルスベクタ-を用いてp40^<tax>を発現させた末梢血リンパ球表面には、GD2前駆体であるGD3と共に、GD2の高発現を認めたが、neoをのみ発現させたリンパ球ではGD3の発現しか認めなかった。従って、HTLVーI^+細胞におけるGD2高発現には、HTLVー1遺伝子産物,特にp40^<tax>の発現が関わっていることが推定された。
元来、いくつかのガングリオビド抗原はヒトやマウスの神経外胚葉由来の腫瘍に特徴的に発現することが明らかにされてきたが、私達はGM3からGM2を合成する酵素、B1、4Nーアセチルガラクトサミン転移酵素(GalNAcーT)のcDNAを単離して、その癌化における動態と生物学的機能を解明しようとしてきた。真核細胞発現系を用いたクロ-ニング法により単離したcDNAはGM2のみならず、GD3が存在すればGD2を合成する機能を有することが明らかとなった。そこで、HTLVーI^+細胞およびHTLVーI p40^<tax>発現リンパ球における本遺伝子の発現をRTーPCR法にて検討したところ、正常PBLに比べ、はるかに強い発現が認められた。従ってHTLVーI^+細胞におけるGD2高発現は、HTLVーI P40^<tax>のトランスアクチベ-ションによるGal NAcーT遺伝子の活性化の結果、GD3よりGD2が新たに合成させたことによると思われた。
現在、新しく作成した抗GD2モノクロ-ナル抗体の、HTLVーI^+細胞に対する作用の検討を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takayma,K.et al.: "Similarity of expression of low molecular weight G proteins smg p21A and ras p21 in normal and malignant human tissues." Cancer Res.51. 2223-2228 (1991)

  • [文献書誌] Furukawa,K.et al.: "Alternatively spliced mRNA of the pX region of human T lymphotropic virus type I proviral genome" FEBS Letters. 295. 141-145 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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