研究課題/領域番号 |
03680003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長 照二 筑波大学, 物理学系, 助教授 (80171958)
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研究分担者 |
小椋 一夫 新潟大学, 工学部・電気電子工学科, 助教授 (40214093)
山口 直洋 筑波大学, 物理学系, 講師 (90158113)
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キーワード | マイクロチャンネルプレート / 光電子分光器 / プラズマ計測 / シンクロトロン放射光 / X線計測 / 電位によるプラズマ閉じ込め / 電子のエネルギーバランス / サーマルバリア |
研究概要 |
平成5年度は、製作した光電子分光器を、プラズマ計測に用いるために、その基礎特性を、文部省高エネルギー物理学研究所の、放射光施設にて、シンクロトロン放射光を用いて研究した。 これにより、(1)本計測器の特徴である、50チャンネルのマイクロチャンネルプレート(MCP)を、光電子分光用検出器として用い、従来のX線検出器では、計測が極めて難しい、100eVから1keVまでのエネルギー領域を、広範囲に、且つ数eVの精度をもって、計測できることを示した。 この事は、今までに、MCPのX線感度基礎特性を、長年に亙り詳細の研究し、今回は、これを更に拡張して光電子に対する感度を明らかにした点で、さらなる進展を見たと位置付ける事が出来る。 また、光電子が、プラズマからのX線により、ターゲットから叩き出され、平行電極電場中で運動し、これを計算機により、数値解析をして、たしかに実験と一致したことは、この手法の、さらなる一般化に向けての、適用性を拓くものと云うことができる。 この計測器を用いて、(2)サーマルバリア電位により閉じ込められた電子のエネルギーバランスについて研究したところ、ロシアのPastukhovにより提案された、電子エネルギー閉じ込めに関する表式と、本研究により得られた結果が、良い一致をすることが分かった。この時、プラズマは、10keVオーダーの「ホットイオンモード」であり、このモードにおいて、電位の電子閉じ込めへの有効性が、本研究により新たに示された。
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