研究課題/領域番号 |
03680004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 善章 東京大学, 工学部, 助教授 (80182765)
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研究分担者 |
森川 惇二 東京大学, 工学部, 教務職員 (70192375)
二瓶 仁 東京大学, 工学部, 助手 (70010973)
井上 信幸 東京大学, 工学部, 教授 (60023719)
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キーワード | プラズマ / 乱流 / 異常輸送 / ヘリシティ- / MHD緩和 / 異常加熱 |
研究概要 |
電流駆動モ-ドの乱流化による異常輸送、異常加熱について基礎的な理論モデルを構築した。電流駆動不安定性は磁気自由エネルギ-の自発的な開放を意味し、非線型発展を介し、磁気エネルギ-的に緩和した構造を自己形成する。この間、プラズマで電流分布の自発的な変化が生じる。この電流分布変化は、古典的な抵抗拡散と本質的に異り、プラズマの運動による誘導電場が支配している。本研究では電流密度の輸送がヘリシティ-密度の輸送に相等することを示し、テアリングモ-ドの乱流が引き起こす、所謂超抵抗効果をヘリシティ-フラックスによって表現した。ヘリシティ-の輸送は非線型平行電流及び非線型偏極電流を伴い、従って前者が電子の熱流束を、後者が粒子束を引き起こす。この関係を具体的に計算した。ここで示した熱、粒子束は電流密度の勾配を駆動力としていると言う意味で、通常の温度、密度勾配による輸送とは異る原理による、極めて興味深い異常輸送過程である。 一方磁気エネルギ-の緩和に於いて放出された自由エネルギ-は散逸過程によって熱化される。不安定性を駆動するモ-ドの が大きい場合、乱れのエネルギ-の散逸はイオンの粘性によって支配されることを示した。粘性による散逸は、低抗による散逸と異り、ヘリシティ-の散逸を引き起こさない。従ってMHD緩和モデル仮説と合致する。ヘリシティ-保存と電場のバランスの関係を解析することによって、乱流プラズマの異常抵抗モデルを導いた。その結果はULQプラズマで実験のデ-タを説明し得る。
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