研究概要 |
目的: ジャイロトロンの高周波数化により,サブミリ波領域で充分な出力(〜100W)が得られる光源を実現する。また,ジャイロトロン出力を高クォリティビームに変換し,プラズマ散乱計測に適用していく。 実績: 1.散乱計測用光源の開発・・・サブミリ波ジャイロトロンの発振の安定化により,周波数353GHZ,出力110Wの発振をパルス幅0.6s間にわたって得ることができた。そのときの出力変動は10%以下であり,光源として充分に利用できるようになった。光源として利用できる周波数を高めるために磁場強度12Tまで発生できる超伝導磁石を用いたジャイロトロンを開発し,二次高調波動作により周波数595GHz,出力220Wの単独発振を得ることができた。また,単独発振ではないが,最高周波数636GHzの発振も得られており,ジャイロトロンの高周波数化は大きく前進した。2.高クォリティビームの発生・・・ジャイロトロン出力をプラズマ散乱計測に用いるため,二次元的に集光された直線偏光モードに変換するための準光学的アンテナを製作し,良好なビームを得ることができた。更にビームの集光性とモード純粋性を高めるため,ミラーによる伝送系を設計し,まもなく完成する予定である。3.ジャイロトロンを光源とするプラズマ散乱計測・・・サブミリ波ジャイロトロンと準光学的アンテナを用いた散乱計測系を完成し,CHSプラズマ中のドリフト波を観測するこができた。今後,新しい伝送系を用いた散乱計測系を完成し,CHSプラズマ中のドリフト波を詳細に観測するとともにプラズマ加熱のために外部から励起した波動の観測も行う予定である。
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