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1993 年度 実績報告書

大振幅磁気流体波による急激な粒子加速

研究課題

研究課題/領域番号 03680008
研究機関名古屋大学

研究代表者

大澤 幸治  名古屋大学, プラズマ科学センター, 助教授 (10115537)

キーワード粒子加速 / 磁気音波 / 太陽フレア / 太陽高エネルギー粒子 / 化学組成 / 不安定性 / 非線形
研究概要

本年度は、プラズマ中に多種類のイオンが存在することの効果について特に注目し、磁気音波の構造、不安定性、粒子加速の研究を進め、それらを太陽高エネルギー粒子の研究に応用した。
宇宙のプラズマも核融合プラズマも、2種類以上のイオンを含む。イオンが2種類存在すると、磁気音波の分散式は低周波と高周波の二つのモードに分裂する。低周波モードは長波長の極限で周波数がゼロとなるが、高周波モードは長波長の極限でイオンサイクロトロン周波数程度の周波数となる。つまり有限なカットオフ周波数を持つ。それにもかかわらず、低周波、高周波、それぞれのモードがKdV方程式で記述されることを解析的に示した。この結果は、従来考えられていたよりも、KdV方程式の適用範囲が広いことを表している。ソリトンの特徴的幅は、低周波モードがイオン慣性長、高周波モードが電子慣性長のオーダーである。
太陽フレアには、高エネルギー粒子の中に^3Heの存在量が異常に増大する、^3He過剰現象を伴うものがあることが知られている。そのような現象では、^3Heサイクロトロン周波数に近い周波数を持つ波が重要な役割を果たすと考え、水素(H)とヘリウム(^4He)とを主成分とする多種類イオンプラズマ中での、電流によって引き起こされる不安定性について解析的および数値的に調べた。その結果、斜めイオン音波、H(水素)サイクロトロン波、および^4Heサイクロトロン波が、^3Heサイクロトロン周波数に近い周波数で不安定となることが判った。
磁気音波による粒子加速の機構と上記の考察とを組み合わせ、高エネルギー粒子の平均の化学組成、^3He過剰現象、および短時間での相対論的エネルギーへの加速を統一的に説明する理論的モデルを提唱した。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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