研究課題/領域番号 |
03680009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
毛利 明博 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10025926)
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研究分担者 |
中村 定男 京都大学, 医療短大, 教授 (50026796)
吉川 潔 京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (00027145)
田中 仁 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90183863)
道下 敏則 京都大学, 総合人間学部, 助手 (00166050)
湯山 哲守 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90026815)
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キーワード | D-He核融合 / イオンビームコライダー / 直接エネルギー変換 / プラズマヘリコン波 / 電磁場結合ポテンシャル / プラズマ閉じ込め / ミラー損失 |
研究概要 |
月面に堆積している^3Heと水中のDを燃料にして、将来の環境破壊に結び付かないエネルギー源となる^3He-D核融合炉の適切な方式を開発していくことを目的としている。ここでは、新たに考案した方式であるイオンコライダーを実験的に調ベ、解決すベき問題点を抽出することを主たる課題としてきた。この方式では、軸磁場と径方向の電場で形成する高エネルギー粒子に対する実効的ポテンシャル井戸でD及び^3Heイオンを加速し閉じ込める。閉じ込められたイオンは互いに対向衝突して融合反応を起こす。 本年度は、前年度から継続して得られた各要素的実験結果と理論的予測との比較を踏まえ、^3He-D核融合用イオンコライダーについて以下のような見通しを得ることが出来た。 (1)ヘリカルモードのヘリコン波を励起して高密度のプラズマコアをつくり、長時間持続するイオン源とすることが出来る。このコアは磁場絶縁方法で高い径方向の静電ポテンシャルに維持できる。 (2)プラズマコアからは強度のイオンビームが引き出せる。 (3)イオンビームは磁場によってサイクロイド軌道を描き、互いに対向衝突する。この軌道は計算予測と非常によい一致をみる。 (4)系全体を破壊するような不安定性は現段階ではない。 (1)〜(4)は総合的に作動させたときにも言える。現用の実験装置は最大磁場が0.3Tであり、イオンエネルギーは3keVが上限である。このため、対向衝突による核融合反応は観測にかからない。しかし、この方法により少なくとも核融合反応を起こしうることは確実である言える。その実証には、大口径の高磁場装置の設置を待たねばならない。
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