研究概要 |
プログラミングを全的な知的作業としてとらえるプログラミング環境の考え方が注目を浴びている. 本研究の考え方は,ソ-スプログラムあるいは構文木に対する属性文法を用いた生成系により,コンパイラ,インタプリタ,デバッガ等を形式的な仕様から生成し,かつそれらのモジュ-ルを使用する統合的なユ-ザ・インタフェ-ス自身も属性文法をベ-スとした仕様から作り出すものである. 平成3年度は,そのうち,次を実現した. 1.コンパイラのフロントエンド用1パス・コンパイラ生成系RieのGNU版フリ-・ソフトウェアの公開 2.言語指向エディタの核となるインクリメンタル構文解析器の作成 3.グラフィカル・ユ-ザ・インタフェ-ス部に対する属性文法を基とした記述法とそれによるグラフィカル・ユ-ザ・インタ-フェ-ス生成系のプロトタイプの作成 4.コンパイラの最適化器のプロトタイプの作成 これらにより,従来手書きで作成されていた言語処理系の各フェ-ズを属性文法という単一の枠組みで扱えることが確かめられた.また,現在では作成ステップが長大になると言われているウインドウ環境も属性文法を基とした簡潔な記述から生成することができた. これまで作成したツ-ル群は,研究のアイディアを確認するためのプロトタイプのものが多いので,これをより実用規模のものにすることが今後の課題である.
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