研究概要 |
1)前年度にひきつづき日本産野生食虫類における二糖類水消化酵素の活性の有無を、採集地および匹数をふやして検索した。 2)モグラ科ではすべて酵素活性をもっていたが、新たに追加したコウベモグラ(愛知県春日井市で採集)は6個体すべてスクラーゼ、イソマルターゼ、マルターゼ、トレハラーゼの酵素活性をもっていた。 3)今泉(1988)の世界哺乳類和名辞典ではトガリネズミ科ジネズミ亜科に分類されている2種、すなわち台湾産モグラジネズミAnourosorex squam ipes(1地域3匹)、青森県カワネズミChim arrogale him alayica(1地域2匹)についてはすべての個体にスクラーゼ活性が欠損していた。2種はトガリネズミ亜科に分類するかジネズミ亜科に分類するか論争のあるモグラジネズミ属およびカワネズミ属の1種であるが、今回のスクラーゼ活性の欠損と言う観点からすると、トガリネズミ亜科に分類する方がよいのではないか、と考えられた。 4)スンクスにおいてスクラーゼ活性欠損ライン、TR、NAG,MI,NJを育成した。
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