研究課題/領域番号 |
03680045
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
伊藤 守 (財)実験動物中央研究所, 免疫研究室, 研究員 (00176364)
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研究分担者 |
倉持 隆司 (財)実験動物中央研究所, 免疫研究室, 研究員 (10225253)
古田 隆久 東京大学医科学研究所, 寄生虫部, 教務職員 (30143514)
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キーワード | ニュ-モシスティス・カリニ / 消毒 / 化学療法 / 診断 / PCR / SCIDマウス |
研究概要 |
1.経鼻接種P.cariniiシスト数とその感染成立との関係を免疫不全SCIDマウスを用いて検討した結果、10個以下程度の極めて少量のシスト数でも感染が成立することが明らかとなった。すなわち、感染後数時間で肺には検出できなくなったが、接種後数カ月でP.carinii肺炎を発症した。 2.感染における栄養体の役割を知る目的で、栄養体の分取法を検討しているが、我々はDAPI染色およびFITC標識抗P.carinii染色を同時に行う重染色によって栄養体を明瞭に検出することができることを明らかにした。 3.P.carinii感染の確定診断法として、Wakefieldら(Lancet,336:541ー453)のPCRによる方法を検討した結果、従来のシストを検出する方法に比べ極めて感度が高く、消毒薬などの効果判定に有用であることが分かった。この診断法を用いて、マウスにおける胎盤感染があり得ないことを明らかにできた。 4.環境因子としての温度に対するP.cariniiの抵抗性を検討した結果、加温に対しては極めて弱く、56℃・30分の加熱でも感染性を失った。しかし、凍結およびその融解に対しては比較的低抗性で、-20℃、-80℃でも感染性を保持し、3回程度の凍結融解でも感染性を失わなかった。 5.市販カリニ剤のカリニ効果を検討した結果、BAKTARおよびFANCIDAR(ともの商品名)でその効果が認められた。しかも、これら薬剤は直接的な殺P.carinii効果をもち、少なくともマウスでは副作用は認められなかった。
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