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1992 年度 実績報告書

一次元超イオン導電体単結晶のイオン伝導の特異性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 03680053
研究機関同志社大学

研究代表者

吉門 進三  同志社大学, 工学部, 助教授 (00158403)

キーワード一次元イオン導電体 / 複素電気伝導度 / マイクロ波 / 単結晶試料 / 周波数依存性 / Drude的電気伝導
研究概要

一次元超イオン導電体アルカリガロチタノガレイト単結晶A_xGa_8Ga_<8+x>Ti_<16-x>O_<56>(AGGTO A:K,Rb,Cs)はアルカリイオンの伝導路であるトンネルの径がアルカリイオン直径とほぼ等しいか大きいために,アルカリイオンの比較的自由な運動を行うと考えられ,高周波領域では伝導イオンの質量の効果が周波数の増加に伴う複素伝導度の実数部の減少となって現れることが期待される.本研究では,マイクロ波周波数の上限を従来の40GHzから59GHzまで拡張してAGGTOの複素伝導度測定を行い前記のことを確認することを試みた.フラックス法によりAGGTO試料単結晶を育成した.10Hz-1GHzの周波数領域ではHP4192ALFおよび4191ARFインピーダンスアナライザより複素伝導度を測定した.8.4-12GHz,27-40GHz,42-59GHzのマイクロ波周波数では,導入した周波数逓器,アイソレータ,抵抗減衰器,定在波測定器を用いて,定在波法を用いて測定した.その結果特に,質量の比較的大きいCsを伝導種とするCGGTOでは複素伝導度の実数部は周波数の増加に伴って急激に減少することが確かめられた.この周波数依存性は,2個のブロックで狭まれたアルカリイオンが作る質量Mのクラスターの振動数ωの電界下で古典的調和振動子応答を反映していると仮定した古典的な運動方程式で説明されることが確認できた.このモデルでは,マイクロ波周波数で,ある角周波数で複素伝導度の実数部が減少し始めるDrude的な周波数依存性を示すが,これはCGGTOの実験結果を良く説明できた.このより伝導イオン濃度は約1.4×10^<21>個/cm^3と計算され,化学分析値である1.3×10^<21>個/cm^3とほぼ一致した.以上より前年度の研究成果と併せて考察すると,AGGTOの直流イオン伝導は,トンネル中の伝導種の運動をブロックする(Ga,O)対を除去することにより発現の可能があることが判明した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Yoshikado et al.: "Ionic Conduction in One-dimensional Ionic Conductors Priderite." Solid State Ionics. (1993)

  • [文献書誌] Y.Ito et al.: "Multielectron Transitions in X-ray Absorption of Krypton" Physical Review. 46. 6084-6086 (1992)

  • [文献書誌] Y.Ito et al.: "Multielectron Excitations of Ni and Zn in X-ray Absorption" Japanese J.Appl.Phys.(1993)

  • [文献書誌] M.Takahashi et al.: "Contribution of Multielectron Transitions to XAFS" Bull.Inst.Chem.Res.Kyoto Univ.(1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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