1.ゆで操作における野菜の種類によるリポキシゲナ-ゼ活性の違い 18種の野菜が次の5つのグル-プに分類された。 (1)リポキシゲナ-ゼ活性が存在しないもの(キャベツ) (2)加熱処理によって活性が抑えられるもの (アスパラガス、シュンギク、チンゲンサイ、キュウリ、ニンジン、カボチャ) (3)抗酸化剤によって活性が抑えられるもの(シシトウ、コマツナ、ブロッコリ-) (4)加熱処理と抗酸化剤によって活性が抑えられるもの (ネギ、トマト、オクラ、キヌサヤ、ホウレンソウ、レタス、サヤインゲン) (5)加熱処理と抗酸化剤添加の両方の処理でも活性が抑えられないもの (ピ-マン) 2.リポキシゲナ-ゼ活性とカロチン量との関係 キヌサヤ、ピ-マン、ニンジンの三種においてカロチン含量とリポキシゲナ-ゼ活性との関係を調べたが、加熱時にリポキシゲナ-ゼ活性が残っているキヌサヤで、未加熱時のリポキシゲナ-ゼ活性の高いものよりカロチン量が多く、またニンジンではリポキシゲナ-ゼ活性の高い未処理のものと活性の低かった抗酸化剤を加えたもの、加熱したものとではカチロン含量に差がないなど、リポキシゲナ-ゼ活性とカロチン含量は直接関係がないようにみられた。これは、もともと両者に関係がないものか、カロチン分解率で表わしたリポキシゲナ-ゼ活性に問題があるのか、カロチンの抽出.分析法に問題があるか、さらに検討する必要がある。
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