研究概要 |
大阪市内の都心マンション及び公営住宅,大阪府周辺の郊外住宅及び農村住宅の4種類の住宅の居住者(主婦)を調査対象として、次の調査を実施した。(1)外観デザインの写真サンプル12枚を呈示し、住みたいと思う写真を選択させた。(2)接客室の室内デザインの写真サンプル15枚を呈示し、接客室として使いたいと思う写真を選択させた。(3)住宅の内外空間の構成要素を表す単語を呈示し、理想的な住宅に必要だと思われるものを選択させた。(4)住宅内の空間・部屋を表す単語を呈示し、理想的な住宅に必要だと思われるものを選択させた。(5)生活行事名を呈示し、重要だと思われるものを選択させた。(6)各種情報誌名を呈示し、興味を持って読むものを選択させた。(7)接客室(公空間)、家族のあつまり部屋(共空間)、寝室(私空間)の分離結合関係の志向性をたずねた。 上記の(1)〜(6)の因子分析を行い、各因子の相互関係から、住空間デザイン志向のパタ-ンとしてろうの型を抽出した。第1の型は、「伝統和風志向」型で、「和風の家」「仏壇・神棚・床の間」「お盆・正月・被岸…」を志向し、住空間デザイン志向と生活行事志向が伝統志向である。この型は40歳代以上に分布する。第2の型は、「反伝統脱近代洋風志向」型で、住空間デザイン志向と生活行事志向が反伝統志向であり、「ペンション風の家」「大きな居間」を構成要素とする現代的な洋風空間は志向する。この型は40歳代以下の分布する。第3の型は、「近代洋風志向」型で、「フラットル-フの家」「天窓・テラス・大テ-ブル…」「プレイル-ム・アトリエ…」の構成要素とする近代的な洋風空間を志向する。しかし、「伝統和風志向」型の構成要素については伝統志向とも反伝統志向とも言えない。この型は50歳代と20〜30歳代に分かれて分布する。
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