研究課題/領域番号 |
03680074
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00183640)
|
研究分担者 |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
綿貫 茂喜 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00158677)
|
キーワード | 高齢者 / 快適性 / 居住環境性能 / 温熱環境 / 視認性 / 段差 / 歩行衝撃 / アイマークカメラ |
研究概要 |
公共交通機関の乗り物内における温熱環境の実測調査と移動等による環境の急変に対する生理反応の測定については、昨年度実施の青年の場合との比較を行う目的で、60才以上の高齢者6名を被験者として昨年同様の内容で実施した。すなわち、測定項目は身体各部位表面温度および鼓膜温、血圧、環境の湿度・温度・気流、温冷感の申告などである。得られた結果については現在検討中である。 段差模型を用いた視認性に関する実験については、昨年度の実験結果をふまえ、とくに段差の立体視について高齢者と青年との差異の比較を行った。実験はアイマークカメラを用いて行ったが、視線の動きが段差の評価に強く影響する結果は得られなかった。ただし、高齢者は青年に比べると下方に視線が集まる傾向がみられた。また、段差高さ・照度を変化させて段差の視認性を評価させた実験では、全体的に青年の評価がより高いことが明らかになった。とくに、高齢者では照度・段差高さの違いが段差の評価に及ぼす影響が大きい。さらに、目地パターンが視認性に与える影響についても評価したが、目地による視線の誘導および立体視への影響の存在が確認された。 床段差の視認性評価に加えて、階段段差の視認性を床段差の場合と同様に、縦・横・格子の3種類の目地パターンについてアイマークカメラを用いた実験により評価した。その結果、横目地が他に比べて段差の視認性を妨げる側に作用していることが明らかになった。 歩行時の床からの衝撃が身体各部位に及ぼす影響の実験的検討を新たに追加した。この実験では、タタミ・フローリング・カーペットなど異なる9種類の床材により歩行衝撃が異なるか否かを身体各部位に装着した加速度計により計測した。その結果、床材による歩行衝撃の差がみられ、とくに踵における加速度の違いとして現われることが判明した。
|