研究概要 |
本研究では、住居内音環境の快適性の条件を綜合的に検討するため、出来るだけ多くの住居について、室内の音環境を調査して音の種類、レベル等を調べ、典型的なモデル環境条件を設定し、被検者によって主観申告と情動反応による評価をおこなうこととしている。そして初年度では、幾つかの住居での実態調査と、典型的な音の主観評価をおこなう計画であったが、実際に実施できた結果は次の通りであった。 1.住居内音環境の実態調査 まず環境・作業環境測定装置デ-タ収集部NBー13Bによって音を収集、インタ-フェ-スSVー12を介してパ-ソナルコンピュ-タ9801NSに表示、収録するソフトを作り、プランタに打出すこととした。この方法で数戸の住居で測定を試みた。日中、住居内外の騒音(主として道路交通騒音)が高い時間帯では、L_Aeq43ー63dB,L_<A50>40ー59dBであり、夜間で最も静かな時間帯ではそれぞれ20ー40dB,40ー57dBであった。ただしNBー13Bでは測定時間全部での騒音レベル分布きり測定できず、一定時間ごとの騒音レベルを逐時的に記憶できないので、次年度にはNBー13Aを購入して連続測定する必要がある。また、地域の類型ごとに住居戸数を割当てて測定するよう計画する。 2.典型的な音についての評価実験 住居内の生活音、自然音、騒音などを被検者を用いて評価させるため、まずこれらの音の中から典型的なものを選び録音を集めた。各種の音楽、航空機、自動車の騒音、話声などである。これらを日常きいている程度のレベルで再生し、NBー13Bや、すでに所有している精密騒音計と購入したレベルレコ-ダLRー04を用いて騒音レベル分布、周波数スペクトル、レベル変動を測定し、それぞれの特長を検討している。しかし被検者を用いる評価実験には至っていない。
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