研究課題/領域番号 |
03680089
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研究機関 | 県立新潟女子短期大学 |
研究代表者 |
石原 和夫 県立新潟女子短期大学, 家政科, 助教授 (00077489)
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研究分担者 |
内山 武夫 新潟大学, 農学部, 教授 (00018540)
本間 伸夫 県立新潟女子短期大学, 家政科, 教授 (50077484)
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キーワード | 味噌香気成分 / 揮発性含窒素化合物 / 揮発性含硫化合物 / 耐塩性酵母 / Zygosaccharomyces rouxii |
研究概要 |
グルコース2%とアラニン、ロイシン、トレオニン、フェニルアラニン、シスチン、メチオニン、グルタミン酸及びアルギニンの各単一アミノ酸(総窒素量0.04%)と食塩12.5%からなる8種類の培地を120℃、10分間加熱殺菌し、モデル培地とした。これらのモデル培地を使用して、味噌酵母のZ.rouxiiを30℃で10日間培養した。モデル培地及び培養液中の揮発性含窒素及び含硫化合物について分析した結果はつぎのごとくであった。 1.モデル培地の加熱殺菌による着色と加熱臭はほとんど認められなった。ただし、シスチン及びメチオニンのモデル培地では非嗜好的な香気が認められるが、それは味噌酵母の培養によりかなり改善された。2.全てのモデル培地で認められた含窒素化合物はベンゾチアゾール(0.1〜0.2μg/100ml)であった。更に、フェニルアラニンとシスチンのモデル培地ではアセチルピロール(0.1μg/100ml)の生成も認められた。しかし、これら両化合物の味噌酵母の培養による量的変化は認められなかった。3.メチオニンのモデル培地では、多種類の含硫化合物が認められるが、量的に多く、且つ、同定された化合物は二硫化ジメチル(2.5μg/100ml)とメチオナール(10.5μg/100ml)であった。他にメチオノール(0.1μg/100ml)も認めた。味噌酵母の培養により二硫化ジメチルとメチオナールはそれぞれ0.9μg/100ml,1.5μg/100mlに減少した。逆に、メチオノールは量的に大きく増加し、その量は156.6μg/100mlであった。このメチオノールは、ロイシン、グルタミン酸、アルギニン、フェニルアラニン及びシスチン培地でも味噌酵母の培養により生成されることが認められた。(±〜0.9μg/100ml)。 以上の結果より、検討を加えたアミノ酸のうち、特にメチオニンを起源とする揮発性含硫化合物と味噌酵母との強い関わりが認められた。
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