研究課題/領域番号 |
03680102
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 喜代次 筑波大学, 体育科学系, 講師 (50163514)
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研究分担者 |
中塘 二三生 大阪府立看護短期大学, 一般教育系, 教授 (50079125)
松浦 義行 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20026743)
浅野 勝己 筑波大学, 体育科学系, 教授 (30015911)
松田 光生 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20110702)
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キーワード | 活力年齢 / 生物学的年齢 / 中高年 / 心疾患 / 運動療法 / 健康度 / 老化 / 有酸素性運動 |
研究概要 |
平成3年度に作成した中高年男性用の活力年齢推定式を利用し、冠動脈硬化性心疾患(CHD)男性患者10名(56±7歳)と健康な一般男性10名(56±6歳)の運動トレーニング(6カ月間)による活力年齢への効果を検討した。院内監視型の運動プログラムは、自転車駆動、速歩、ジョギングなどの有酸素性運動を中心とし、その強度は乳酸性閾値水準とした。運動の時間は1セッションあたり90分、頻度は原則として2回/週とした。この他に、各自が自宅または自宅付近で自己統制型として同様の運動を平均20分/回、3回/週行なった。 その結果、暦年齢よりも有意に高かったCHD患者の活力年齢(65±8歳)は58±6歳へと有意に低下し、暦年齢に近づいた。対照群の活力年齢(55±6歳)は暦年齢とほぼ等しかったが、6カ月後に50±5歳へと有意に低下し、歴年齢との間にも有意差が認められた。活力年齢や暦年齢の初期値の高い者ほど運動トレーニング後に活力年齢がより顕著に低下する傾向にあったが、その関係はいずれの群においても有意ではなかった。活力年齢は血圧、血清脂質、体脂肪量、肺機能など安静状態において得られる情報に加え、乳酸性閾値に相当する酸素摂取量や心拍数、敏捷能、平衡能などの多岐情報から求められるものであり、健康度(老化度)をより総合的に表す指標であると指摘されている。 以上のことから、(1)健康度に指標である活力年齢は、著者らの指導する運動トレーニングによって顕著に改善する、(2)運動内容が同じであれば、活力年齢の低下度はCHD患者と一般人で概ね等しい、(3)作成した活力年齢推定式は、運動トレーニングの効果判定に有用であることが示唆される。
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