本年度は、昨年度実験を行った朝食欠食に関する生化学的、生理学的、心理学的な研究結果のコンピュータ処理を入念に行った。そしてその結果、朝食欠食時などの空腹状態での運動は危険であること、朝食欠食期間は体力が低下し、体脂肪量は増加すること、朝食欠食は精神的疲労及び自覚的疲労にも影響することなどが明らかになった。 さらに、その上、子供の生活習慣を乱す原因の1つでもあるファミコンが、最近普及しており、長時間のファミコン実施が子供の眼精疲労、目の調節性疲労、心的疲労、生理学的機能に及ぼす影響については、実験的な研究結果が明らかにされていないことから、次のような研究もまとめた。つまり、小学校5年生児童30人(男女各15人)を被験者として、30分間のファミコンゲーム実施前、実施直後、休憩(25分間)後の眼精疲労(眼精疲労自覚症状調査による)、目の調節性疲労(近点距離による)、心的疲労(フリッカー値による)、生理学的機能(血圧及び脈拍数)を測定し、分析した。その結果、目の調節力はファミコンの実施により低下するが、休憩後には回復すること、ファミコン実施による眠精疲労自覚症状は、ファミコン直後の訴え数が最も多いこと、ファミコンの実施前後では目の疲れに関しての訴え率が増加するものの、休憩すればファミコン実施前の水準にまで減少することなども、明らかになった。 また、子供の生活習慣の乱れと身体的な変調に関する実態調査を、平成4年に県内で実施した結果、幼児や小・中学生の中には、生活習慣の乱れた子供たちや、身体的な変調を呈している子供たちが、少数ではあるが実際にいることも、明らかになった。
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