子供の生活習慣の乱れに関して、その典型である『朝食欠食』について、まず実験的な研究を行った。つまり、朝食を抜くことの不健康さについて、生化学的(血糖、血中遊離脂肪酸、血清総蛋白)、生理学的(体力、体脂肪量、体脂肪率、除脂肪体重)、心理学的(自覚的疲労、精神的疲労)に、広範囲にわたる実験を終了し、詳細に分析した。そしてその結果、次のようなことが明らかになった。 1.朝食欠食時などの空腹状態での運動は、危険である(生化学的実験結果による)。 2.朝食欠食により体力は低下し、体脂肪量は増加する(生理学的実験結果による)。 3.朝食欠食は、精神的疲労や自覚的疲労にも影響する(心理学的実験結果による)。 さらに、子供の生活習慣を乱す原因の1つでもある長時間のファミコン実施が、子供の眼精疲労、目の調節性疲労、心的疲労、生理学的機能に及ぼす影響についても、実験、分析し、次のような結果を得た。 1.目の調節力はファミコンの実験により低下するが、休憩後には回復する。 2.ファミコン実施による眼精疲労自覚症状は、ファミコン直後の訴え数が最も多い。 3.ファミコンの実施前後では、目の疲れに関しての訴え率が増加するものの、休憩すれば、ファミコン実施前の水準にまで減少する。 また、子供の生活習慣の乱れと身体的な変調に関する実態調査を、平成4年に県内で実施した結果、幼児や小中学生の中には、生活習慣の乱れた子供たちや、身体的な変調を呈している子供たちが、少数ではあるがいることも、明らかになった。
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