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1991 年度 実績報告書

乳幼児における精密把握運動等の中枢プログラミング機能の発達について

研究課題

研究課題/領域番号 03680112
研究機関大阪大学

研究代表者

木下 博  大阪大学, 健康体育部, 助教授 (60161535)

研究分担者 有働 正夫  大阪大学, 健康体育部, 教授 (60009983)
生田 香明  大阪大学, 健康体育部, 教授 (70012507)
キーワード発育発達 / 精密把握運動 / 中枢プログラム / 乳幼児 / 運動制御 / 手 / 重量
研究概要

指先で小物体を摘む動作(精密把握)は、日常の様々な運動の中でも、特に高度に発達した中枢神経系及び末梢神経系の機能が関わることで知られる。近年、猿を用いての実験からは精密把握に関する中枢神経機構からの主要な制御司令伝達機構(錐体路)が後天的に確立されるものであることが明らかとなった。このように後天的に確立されてくる運動機能は繰り返しの練習により末梢部感覚受容器からの帰還修正が最小となるように、中枢神経系での予測的運動司令(中枢プログラム)に基づいて遂行されるようになると考えられている。本研究ではヒトについて生後11カ月の乳児から5歳までの子供を対象にして、精密把握運動における中枢プログラム制御機能の発達について探求することを目的とした。特に、精密把握運動中の把握力が操作する物体の物理変量(物体重量および把握面の滑り状況)の情報をどの程度活用して運動を遂行するのか、またそのような機能は練習によって向上するのか、について検討を試みた。平成3年度は、生後11カ月の子供から2歳までの子供(16名)について調べた。その結果、11カ月の子供においても把握力の物理変量に対する予測的発揮が明らかに認められること、その機能がこの年齢の子供においても訓練によってより効果的となることが明らかとなった。また、訓練の効果は加齢に伴ってより顕著となった。これらの結果から精密把握運動に関連する把握力の時間的・空間的パタ-ンを形成するための中枢神経回路網は、生後1年以前の段階で既に起動していること、運動をより効率的に遂行できるようにするための中枢神経機構の可墜的な変化もこの年齢で生じることが示唆された。本年度は、3歳から5歳までの子供についてこれらの機能の発達状況を把握し、中枢神経系での微細運動に関わる感覚・運動統合機能の幼児期における発達過程を調べている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 木下 博,葛原 憲治,生田 香明,有働 正夫: "精密把握運動中の運動プログラムに持ち上げ高変化の及ぼす影響." 体力科学. Vol40(6). 904 (1991)

  • [文献書誌] 木下 博,生田 香明,葛原 憲治,会田 勝 ハンス フォスバ-グ: "小物体の持ち上げ運動に関する把握力制御機能の発達" 体育学研究.

  • [文献書誌] Hiroshi Kinoshita,Komei Ikuta Tomoko,Ono,Kenji Kuzuhara Masao Udo: "Development of preparatory control capacity in children during precision grip" Proceedings of XII th International Congress of Biomechanics. 179-181 (1991)

  • [文献書誌] 木下 博,生田 香明,川合 悟: "精密把握運動における把握面状況への適応能力の発達" バイオメカニクス研究1992.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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