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1992 年度 実績報告書

1,5-アンヒドロ-D-グルシトールを含む新奇脂質複合体の生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03680138
研究機関東京大学

研究代表者

赤沼 宏史  東京大学, 教養学部, 教授 (30012462)

キーワード1,5-アンヒドログルシトール / 生合成
研究概要

グルコースの1-デオキシ体である1,5-アンヒドログルシトール(AG)はほ乳類の体液・組織に広く存在するポリオールである。まず、昨年度に、1)このポリオールのラット体内における分布を確かめた(その成果はJ.Biochem.に公表した)。ついで、2)肝癌由来培養細胞(H35)を用いて放射能ラベルしたAGの脂質分画、糖脂質分画、糖蛋白分画等への取り込みを調べ、最後に、3)グルコースからAGを生成する生合成反応を解析した。
2)動物臓器からAGを含む複合体を前年度に引き続き検討したが、その存在量が極めて小量であり、特定生体物質の単離には至らなかった。我々はこの様な微量物質も生理学的には大きな役割を担っている可能性を考えている。そこで、[^<14>C]AGをもちいてH-35細胞による放射性AGの取り込み実験によりAGを含む生体物質の特定を試みた。外から与えたAGは脂質分画ばかりでなく、むしろ、複合糖質と思われる分画により多く取り込まれた。その取り込み物質の同定は今後の課題として残った。
3)昨年度観察したH-35細胞によるAGの生合成を[U-^<13>C]グルコースから[U-^<13>C]AGの生成をGC/MSで分析することにより解析した。AG生合成には数時間におよぶ誘導時間が観測され、寿命の長い中間代謝物がAGの前駆体となっているのではないかと思われる。また、AGの生合成におけるグルコースに対するKmは解糖系の律速段階であるヘキソキナーゼのグルコースに対するKmよりはるかに大きくグルコースの血中濃度5mMよりも大きかった。そこで、解糖系には属さないグルコースの代謝物がAG生合成の前駆体であると思われる。この生合成に関する論文は準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 森田 誠、赤沼 宏史: "Disutribution of 1,5-anhydro-D-glucitol in normal, diabetic, and perfused rat body" Journal of Biochemistry. 112. 385-388 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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