研究課題/領域番号 |
03680176
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
野口 知雄 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30073688)
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研究分担者 |
櫻庭 春彦 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (90205823)
林 寿恵子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (30047807)
藤原 智子 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20047806)
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キーワード | 分子生物学 / 動物進化 / プリンの分解 / 尿酸の分解 / アラントイナーゼ / 両生類 / カエルλgt11cDNA / ニジマスλEXlox^<TM>cDNA |
研究概要 |
プリン塩基の分解最終産物は動物種により異なり、ヒト上科、新世界のサルでは尿酸、その他の霊長類や哺乳類ではアラントイン、魚類、両生類では尿素、さらに下等になるとアンモニアである。このように動物のプリン分解は高等なほど、不完全であり進化の過程で尿酸以降の分解酵素群が脱落している。AllantoinaseとAllanto-icaseは魚類では別個の酵素であるが両生類になると両酵素は複合体を形成するようになり、さらに進化すると脱落することを報告した。本研究はAllantoinase-Allantoicase複合体形成と脱落の機構を明らかにするために、まづ両生類のAllantoinaseの遺伝子解析を行った。カエル肝臓のmRNAよりλgtllcDNAライブラリーを作製し、E.coliY1090を宿主としてCLlK(clontech社)によりカエルAllantoinase抗体を用いてスクリーニングし、単一のクローンを得た。M_<13>mp19とKSをベクターとしてE.coli JM109に形質導入して得たDNAをMultiprime DNA labelling system(Amersham社)でシーケンシングを行った。得られた塩基配列の内、7種のoligonucleotideを選びノースウエスタン大学に合成を依頼し、プライマーとしてさらに確実に塩基配列を決定し1.5kbのopen reading frameを得た。他方カエル肝臓より精製したAllantoinaseの54KDのペプチドの一次構造をハーバード大学で解析し、16種のアミノ酸配列を決定したが、この配列は、cDNAの1000〜1051bpの配列と一致した。次に虹鱒のλEXlox^<TM>cDNAライブラリーを作製し、T7RNA Polymeraseを持つ宿主菌BL26(DE3)plysEに感染させて、イワシAllantoinase抗体を用い抗体発色法により得た純粋なプラークとBM25.8宿主菌と混合しオートマチックサブクローンを得た。このDNAを蛍光DNAシーケンサーにより塩基配列を決定し、カエルと虹鱒の遺伝子の比較からカエル複合体形成の意義を考察する。また、これらのDNAプローブを用い哺乳類のAllantoinase遺伝子の存在を調べ、進化に伴う尿酸分解酵素群の脱落機構を遺伝子レベルで解明してゆく予定である。
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