研究概要 |
1.減弱曲線測定精度の検討;QIデ-タ作成に先立ち、減弱曲線の測定精度は線量計のエネルギ-特性に依存することは明白であるから、数種の低エネルギ-用市販線量計(Victoreen Radocon 550ー4,Capintec PMー30,応用技研Cー110、FreeーAir Chamber(自作))を用いて60〜120kV X線について減弱曲線を測定した結果、応用技研を除いて、全て1%以下の精度で一致した。このことから、かなり高精度でのQI測定が可能となる。 2.一次X線に対するQIデ-タの作成;現在市場で多く使用されている、単相2ピ-ク型、三相12ピ-ク型、インバ-タ型、定電圧型の各X線装置について管電圧と実効エネルギ-の関係をAI減弱曲線の測定から求め、両者の比からQI値を算出した。これらのQI値は管電圧、管電圧波形率、濾過板を関係因子とした表にまとめた。この結果、管電圧の測定から実効エネルギ-の測定が非常に容易となった。 3.X線スペクトルと実効エネルギ-の関連性;一次X線に対するQIデ-タに引き続いて、散乱X線などのような理想的なジオメトリ-の組めないX線のQIデ-タを求めるために、X線スペクトルからの計算により減弱曲線を求める方法を検討している。そこで管電圧50〜120kVの一次X線について、Ge半導体検出器を用いてX線スペクトルを測定し、このデ-タから減弱曲線を求めた。そしてこの結果を線量計で得た減弱曲線と比較したところ低電圧域では非常によく一致したが、高電圧域に移行するに従って若干一致しないことが判った。現在、この問題について検討しているが、これが解決できれば散乱X線を含めた種々のX線のQIデ-タが作成でき、X線実効エネルギ-の簡易測定が可能となる。これについては平成4年度に行う予定である。
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