研究概要 |
平成3年度に引き続き漢字学習を対象領域として,環境型知的CAIシステムの枠組みでシステム構築を継続した.漢字学習CAIシステム(漢字工房)では,既に前年度,漢字に対して属性継承する部分構造に着目した知識ベース部が完成しており平成4年度はアドバイザ機能実現のための基礎研究および学習環境の構築を行なった.漢字工房の学習環境は部分構造の理解に基づく漢字の学習のためであり,(i)学習者が自由に漢字の画や部首を組み合わせて漢字を作成でき,かつ(ii)本形態の学習を支援するための漢字辞書などの電子教具が利用可能である.学習環境はSONY製ワークステーションNWS‐3865上で開発言語としてC言語+OSF/Motifを用いて構築した.知識ベースについては安価なパソコン等での使用可能性の検証のため,PC‐9801RA上に移植を行ない,使用に満足すべき検索速度の結果を得た.特にアドバイザ機能の基礎研究のためにNWS‐3865上で漢字熟語CAIシステムの開発を開始し,今年度は知識ベース部の構築および学習環境の概念設計を完了した.漢字熟語知識ベースは新聞が読める程度の2字熟語2828語が登録されており,任意の熟語の同意語,類義語、反意語、同音語、類音語を高速に検索できる.学習環境は漢字を組み合わせて2字熟語を作るパズルゲームを基本として構成する.平成5年度は漢字辞書を知識ベースとする漢字および熟語学習システムを試作する.
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