研究概要 |
情報処理教育実習用コンピュータシステムをパソコンで構成した場合のサーバのフォルトトレラント性の実現技法を研究し,併せて実運用するシステムとして実現することを目的として本研究を行った。 平成3年度にパソコンをサーバに用いた場合のフォルトトレラント 性の実現方法を比較検討した。その結果,パソコンは安価,ハードウェアの改造不要,などの理由により,2台をサーバとして用いることにした。端末からはサーバに同報通信を行って同じ情報をサーバに記録させることにより,フォルトトレラント性を高めることにした。当該補助金を受けて購入したパソコンと既存のパソコンと合せて2台のサーバを使える環境を整え,端末から同報通信でファイル転送を行うプログラムを作成して予備実験を行い,1台のサーバを停止させても残りの1台でサーバ機能を継続させられることを確認した。このプログラムを従来から運用してきたレポート提出・受付システムに応用するための改造を行いテスト運用し、フォルトトレラント性自体の確認を行った。 2台のサーバ間の速度差を吸収して,同じ情報を記録させるためには、サーバ間で同期用信号の送受信を行なわなければならず,応答速度の低下が予想されたため,本年度はその測定を実験的に行った。その結果,応答速度は確かに低下したが,運用した範囲では,学生が感知できるほどではなかった。 また本年度は,機械的動作部分の多いハードディスクへのアクセス回数を低減し,フォルトアボイダンスを向上させるため,RAMディスクの積極的利用を図るようシステムの改良を行った。これにより,副次的効果として応答速度が上がり,過去の1台のみのサーバの場合とほぼ同等になった。また,無瞬断電源装置を設置し,停電時のサーバの後処理機能を実現し、システムの安定性向上を図ることができた。
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