1).5年算数教材「割合」の授業書に基づいて、CAIコースウェアを開発した。1992年7月、岩手県岩手郡滝沢村篠木小学校6年1組(23人)でパソコン授業を行った。事後テスト等の結果は、「割合」に関する基本事項(文章題を読み「もとにする量」「割合にあたる量」を同定する技能、比の3用法の文章題の解決技能)を被検児が理解できたことを示しめした。学習のテンポの個人差に対応することもできた。 2).これまでの調査結果によれば、4年算数教材である{8km^2=□m^2}の問題で5〜6年生の50%前後が、〔8000m^2〕と誤答している。つまり、「長さの下げ換算と面積の下げ換算との混同」の誤りである。この誤りの根本原因は、学校知(具体的に言えば、教科書の面積指導)にある。「面積の下げ換算」の授業書を作成し、1992年2月、岩手県二戸郡安代町田山小学校(準へき地校)6年1組で、また、1992年11月、岩手県一関市厳美小学校5年1組で、通常の一斉形式による試行授業を行った。二つの試行授業において、上記の誤答を20%以下に抑えることがきた。 例えば、表-1(問題:「〔長さ×長さ〕を2つ作ってください。」)、表-2(問題:「1G=3Pです。たて=6G、よこ=8Gの長方形の面積は何G^2ですか」)の通り(各テストの先きの%は田山小の、後の%は厳美小の正答率)。【table】【table】 3).上記の授業書に基づいてCAIコースウェアを開発した。1992年9月、岩手県岩手郡滝沢村篠木小学校6年2組(26人)でパソコン授業を行った。結果は、表-3(表-1と同一問題)、表-4(表-2と同一問題)の通り(各テストの先きの%は田山小6年事後テスト、後の%は篠木小6年事後テストの正答率)。【table】【table】 一斉授業形式の試行授業と較べて、やや、正答率は低い。だが、授業後の授業感想文からみて、学習のテンポの個人差に対応することはできた。
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