研究概要 |
平成3年度は3年間にわたる研究を出発させるべく,調査を実施する中学校4校を選定し,依頼した。その結果,秋田県内の比内,大館第一,鷹巣,能代第二の4中学校の第一学年生全員を調査することになった。これらの生従の在籍者総数は900名強である。調査を一回について2単位時間から3単位時間に増加したこと,および知能検査をこの研究のために実施せず,かわりに各学校が実施した知能検査結果を学校から入手することの二つの改善点以外は研究計画に従って研究をすすめている。 認知的学力については,調査問題を中学校数学の領域別に作成し,かっ総合評価も可能なように問題数を調整し,これらの問題を3単位時間に分割して調査問題とした。一回の調査を2単位時間から3単位時間に増加したことにより,調査内容を充実させることができ,時に数学的な考え方などにかかわる思考力の判定で信頼性の増加が期待できる。 情意的学力は,妥当性,信頼性が我国において十分保証され,測定経験を有する測定用具を用い,“数学に対するイメ-ジ調査"のタイトルのもとで,SD型尺度MSDとLikert型尺度FAによって測定した。認知的学力の調査における生従のでき,ふできに関する意識が調査結果に微妙な影響を与えたということのないよう,情意的学力の調査を認知的学力の調査の実施前に実施した。 研究計画では第二学期に実施を予定していた知能検査は,調査を依頼した4中学校が一年生一学期に同一知能検査を実施していたので実施をとりやめ,学校所有の知能検査結果を学校から入手した。知能検査の性格から,この計画の変更は研究に対して何の影響も与えない。 調査は平成3年10月と平成4年3月に実施し,スコアを遂次コンピュ-タ-に入力しているが,因果的優越性は二回の調査結果を用いるので,研究の本質にかかわる情報は次年度にならなければ報告できない。
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