研究概要 |
平成4年度における当研究課題における業績はつぎのとうりである。 1)基本的方針としては,研究計画,研究方法ともに,前年度からの大きな変更点はない。データベース化の第一段階として,基本テクスト及び関連テクストを,全文ローマ字化してコンピューターに入力し,文字列検索,訳語使用例分析等の活用に備えての基本作業を行う,という予定は,着実に進められた。チベット語やサンスクリット語の現地文字からのローマ字化入力は手動入力に頼らざるをえないにしても,欧文化されたテクストで光学文字読取(OCR)による自動入力利用可能な文献は積極的に採り上げて入力した。しかし,そのためのハードウェアの整えるに予算が不充分であり,設備費のほとんどは基本文献を整えるに終った。また,テクストの正確なデータ化のために,予定以上の校正補助者を必要とし,現在もその校正は完了していない。 2)サンスクリット語,チベット語のローマ字化について,他の文献のデータベース化を試みている研究者とコードの統合について協議し,最善の方針を求めた。アメリカのAsian Classic Input Projectによるチベット文献の入力データーや,海外の研究者及び他大学の同一領域の研究者から提供されたデーター入力の成果が予想以上に利用できた。 3)ソフト開発の方面では,文献入力のための補助要員を確保するに予算が費やされ充分な力を注ぐことはできなかったが,関連領域の他の研究者から提供された文章処理プログラムが利用できたことで,研究を進めるうえで予定以上の進捗があった。
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