本年度は、中間管理都市岡山市の生涯学習社会の実態と群馬県大泉町の外国人働労者の成人教育活動、並びにイギリスのブラッドフォ-ドの多文化・多民族都市の教育政策の調査をおこなった。このうち岡山市の調査では、中路一周辺モデルを調い、中欧部では公的成人教育活動は影をひそめているが、周辺では活発なこと、今後は周辺文化が中欧文化に反作用を及ぼす可能性の出ることを明らかにした。またイギリスの事例では、国境なき時代の到来とはいえ、多文化・多民族教育が多くの生涯の隔離・教育隔離によって困難に直面していることを明らかにした。これは今後の日本の多様化・多民族化を考える上で大いに参考になるものである。また大泉町の調査は、まだ完了しておらず中間段階であるが、ここでは本格的な多民族化が増えているのに、日本文化への一文的な吸収政策・文化経〓〓〓〓られており、その意味でのインラヴレ-ションとはなっていないことを明らかにしている。次年度以降さらにほりさげてイギリスの先進的な多民族都市とも比較して、今後民族の〓〓に何が重要なことかを明らかにしていく予定である。なお次上の調査のうち岡山については、「岡山市の“生涯学習社会"と“文化"創造」と題して端文の形で発表予定であり、ブラッドフォ-ドについては『イギリスの外国人働労者ーアジア系コミュニティの形成と多文化・多民族教育』と題して単何本にする予定である。なお大泉町については「多民族社会と教育ー明日の日本の教育に問われるものー」と題し国土社・月刊「社会教育」研究の成果の一部を公表している(1992年2月号)。
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