本研究の前段階として1989年に実施した小規模な予備調査を集計して、その結果を分析し、「社会福祉にまつわるスティグマの感情に関する予備調査と考察(その2)」と題してソ-シヤルワ-ク研究(通巻66号)に発表した。この研究は1987年に実施した壮年層を対象とする調査結果と比較検討するため、若年層を対象として行ったもので、いくつかの興味ある傾向を知ることができた。 関係図書文献についても、入手したものに目を通しているところであり、外国におけるスティグマ研究の新しい動向を知ることができた。 本年は意識調査実施にむけての準備段階として、調査対象としていかなる対象が適当であるかの選定作業を行った。まず、精神薄弱者の家族、身体障害者とその家族、精神障害者とその家族などが調査対象と考えられたが、なかでもスティグマの感情が最も濃厚であろうと推測される精神障害者とその家族を対象として選ぶことを検討した。兵庫県下の精神病院関係者と数度にわたる協議の結果、県下精神病院協会の協力を得て、10の精神病院において調査を実施する方向がかたまり、各病院との間で具体的な調査方法について調整を行った。なお、テ-マの性貭上、プライバシ-や人権問題に細心の注意を払い、慎重に対処する必要があるため予想外の時間を要した。具体的な協議内容としては調査票の設計、調査方法・経費の支出方法などである。 現時点では調査票の設計、印刷も終わり、協力病院との打合せに従事しているところである。県下に散在する協力病院歴訪して、医師、看護婦、ソ-シヤルワ-カ-等と協議を重ねている。
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