教室環境、教室文化という2つのキーワードを通して、授業研究を行うときの視点をいくつか新しく設定することができた。例えば、次の15項目がそうである。 ・授業の比較文化的考察・授業の現象学的考察・授業の歴史学的考察・授業における学習過程・授業と学習集団との関係・授業におけるコンピュータの役割・授業とカウンセリング・授業と認知・授業と評価・授業における教科書の役割・授業と障害児・授業と学校建築・授業におけるコミュニケーションの役割・授業と教材・授業と学習指導技術 本研究では、これらの研究視点を考慮しつつ、次の2つの視点に立って授業の実践的、実証的研究を行った。 ・授業と教室文化…日米の授業比較を中心に考察した ・授業と教室環境…健常児と障害児の授業比較を通して、数学学習における感覚の役割について考察した。 この2つに着眼したのは、文化の次のような規程による。 「環境的自然と物理的身体との中間にあって、後者の前者〜の適応のためにつくり出された緩衡地帯が文化とよばれるものである」(認識の風景 沢田允茂) 今後の研究課題は、次のことがらを教室文化、教室環境という視点でとらえ直し、実践を行う際の着眼点を具体的に創出していくことである。 ・理解が困難な内容(算数・数学)を文化的・歴史的観点から考察・練り上げという授業形態の特定化・多様なものの見方・考え方を重視する思想的背景・ティームティーチングによる指導形態の特定化・複式学級の指導の特定化・帰国子女の数学の授業観
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