1.<東京左連関係資料を中心としたデータベース化>我々は2年間にわたりパーソナルコンピューターを使用して共通のデーターベース・プログラムにより、購入したハードディスクにそれまで個々人が収集していた資料、新たに収集した資料の共有化・データベース化を行った。この作業は本研究の目的、性格に鑑みて最も成果が期待される部分である。これまでの作業の結果、我々は左連研究全体に不可欠な基礎資料<新文学史料>(2192件)をはじめ、「東京左連を中心とした留学生運動年譜」(仮称)(498件)、「 同 依拠資料一覧」(178件)、「胡風年譜」(196件)、「胡風来往書信リスト」(554件)、「楼適夷年譜」(82件)等のデータベース化を行い、各資料の目録、検索、情報提供等を可能にした。またこの他に東京左連関係者である葉以群、住鈞、謝泳瑩の年譜、<文芸新聞>「東京通訊目録」等を作成中である。2.<東京左連関係、関連資料の収集>・<資料の集中>天理大学、京都大学、広島大学、関西大学、実藤文庫等に赴き、各研究期間が個別に所蔵している稀覯書<大衆文化>、<文海>、<外事警察報>、『中華留日学生名簿』等の資料を収集し、埼玉大学に集中した。以上の結果、今後の本格的な東京左連研究に足場が築かれ、他の便宜に供せられる体制が初歩的にではあるが整った。我々は可能な限り必要とされる方々への提供の便を図るつもりである。3<成果の取りまとめ>「東京左連の成立、及び成立期の東京左連について」「東京美術学校に在籍した中国人留学生名簿」「中国左翼作家連盟東京支部の機関誌『雑文』創刊号について」等の論文を収めた<左連研究>第3輯を発行する。なお学会誌等における論文発表等は別記の通りである。
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