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1991 年度 実績報告書

公的年金の支給開始年齢引上げに伴う諸問題の経済理論的・計量的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03803004
研究機関一橋大学

研究代表者

高山 憲之  一橋大学, 経済研究所, 教授 (30102940)

研究分担者 宇野 富美子  東洋英和女学院大学, 人文学部, 講師 (20017669)
キーワード高齢者かわいそう論 / 所得 / 消費 / 資産 / 平均値 / 中央値 / 最頻値 / 地域格差
研究概要

1989年の『全国消費実態調査』を利用して高齢夫婦世帯および高齢単身世帯の所得・消費・資産を調べた。その概要は次のとおりである。
1.昭和40年代の日本を念頭に置いて主張された「高齢者かわいそう論」は今日もはや根拠薄弱である。経済的に恵まれていない高齢者が今もなお一部に残されてはいるものの,高齢者の多数派はもはや必ずしも貧乏ではない。フロ-面(所得・消費)でも現役の青壮年層と比べて遜色のない高齢者が少なくない。またストック(資産)の保有という点では、高齢者の方が青壮年層よりも恵まれている。
2.高齢者の経済状況を議論するときには,平均値だけでなく,中央値や最頻値にも留意する必要がある。むしろ平均値思考から決別しないと,高齢者の実像はみえてこない。ちなみに高齢夫婦世帯の場合,1989年時点における貯蓄の保有残高は平均値で約2000万円,中央値1100万円,最頻値300万円台(100万円きざみ)であった。また土地・住宅資産保有額の平均値は6500万円,中央値2700万円,最頻値1400万円(100万円きざみ)であった。平均値は上位25〜30%の水準を示すことが少なくないので,注意が必要である。
3.高齢者の生活実態を議論するときには、さらに東京と東京以外の地域間格差にも留意しなければならない。ちなみに高齢夫婦世帯の場合、消費支出月額の平均値は東京都268千円,3大都市圏以外212万円となっており、5万円強の差があった。中央値でも221千円,181千円とそれぞれなっており,約4万円の差があった。また東京都の高齢夫婦世帯の保有する土地・住宅資産に平均値2億4000万円,中央値1億6000万円1億円以上64%となっていて,他の道府県をたして桁違いに大きかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高山 憲之: "高齢者夫婦世帯の所得・消費・資産" 経済研究(4月号). 43. (1992)

  • [文献書誌] 高山 憲之: "高齢単身世帯の所得・消費・資産" 一橋論叢(6月号). (1992)

  • [文献書誌] Takayama,Nariyuki: "The Greying of Japan:An Economic Perspective on Public Pensions" Kinokuniya and Ox'ford University Press, 220 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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