平成4年度は、当初の計画に従って、科学衛星「あけぼの」のデータが保管されている、宇宙科学研究所大型計算機上に、「あけぼの」の、観測リストを作成した。これは、ネットワークを介して遠隔地から参照可能である。しかし、このリストには「あけぼの」の軌道が示されておらず、不充分である。又、適当な時間間隔で軌道をしめしても、今度は逆にリストが膨大になる。現在は、観測状況を軌道情報と合わせて図にしてプロットする試みを行なっている。試算では「あけぼの」のこれまでの観測期間(約4年)を全て含んでも、全体で200ページ以下に収まり、平成5年度に印刷配布が可能になる。 このプロットを参照する事により、地球の特定の場所に於ける観測が何時、行なわれているかが判かる。来年度の出来るだけ早い時期に印刷配布を完了したい。 「あけぼの」のデータそのもののデータベース化は、宇宙科学研究所の特別予算で昨年から始まった。本研究はその導入部に位置し、データを比較、検討する上で重要である。申請者はまず今後どの様に比較研究が行なわれるかを自分達で経験する目的もあって、研究論文を公表した。〈次ページリスト参照〉。その結果、リストの存在は研究を進める上で不可欠である事が判明した。 本研究の成果として、「あけぼの」を中心としたデータ交換に基づいた研究が今後増々展開される事を期待する。
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