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1992 年度 実績報告書

イオン移動過程におけるイオン-イオノフォア多段階錯形成のダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 03804042
研究機関京都大学

研究代表者

垣内 隆  京都大学, 農学部, 助手 (20135552)

キーワードイオン移動 / 錯形成 / 非環状ポリエーテル / クラウンエーテル / 液液界面イオン移動 / 多段階錯形成
研究概要

1.液液界面(油水界面)イオン移動において、1:1錯体と1:2(金属イオン:リガンド)からなる二つの錯体種が油相に存在する場合の油水界面を横切るイオンの促進移動の電流-電圧曲線を理論的に解析し、1:1、1:2錯体の安定度定数を決める方法を提案した。2.octaethylene glycolmonododecyl ether(C12E8)等の非環状ポリエーテル、およびクラウンエーテルによるアルカリおよびアルカリ土類金属イオンのニトロベンゼン-水界面における促進イオンを移動電気化学的に測定し、リガンドとこれらイオンとの1:1,1:2錯体の安定度定数を定めるとともに、3イオンの促進移動におけるそれぞれの錯体種の寄与のダイナミックスを明らかにした。さらに、C12E8について、リガンドの界面吸着のイオン移動への寄与を定量的に解析した。4.また、これまで1:1錯体しか知られていなかった系でも、C12E8等によるLi^+やCa^<2+>のような親水性イオンの促進移動、ジベンゾ18クラウン6(DB18C6)によるBa^<2+>の促進移動では、電流への1:2(イオン:リガンド)錯体の寄与が無視できないこと等を明らかにした。 本研究から、液液界面における疎水性リガンド(イオノフォア)によるイオンの促進移動では、錯形成反応がきわめて速い場合でも、水相中のイオンの初期濃度と油相中のリガンドの初期濃度との比によって界面を横切ってイオンを運ぶ錯体種が異なり、しかも、イオン移動に伴う界面近傍のイオン、リガンド両者の濃度の時間的変動によって、界面近傍で生成する錯体種が変動することが明らかになった。これは、溶媒抽出等でも実際に生じていると考えられ、効率的な抽出条件を決める際に考慮すベき一つのファクターである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takashi Kakiuchi: ""Current-potential curves for facillitated ion transfer across oil/water interfaces in the Presence of successive complex formation"" J.Electroanal. Chem.,. 300. 431-445 (1991)

  • [文献書誌] Takashi Kakiuchi: ""Effect of successive complex formation onthe facilitated ion transfer across the oil/water interface facilitated by lipophilic crown ethers" Anal. Sci.,. 7. 591-594 (1991)

  • [文献書誌] Takashi Kakiuchi: ""Successive complex formation of multivalent ions with octaethylene glycol dodecyl ethers at the nitrobenzenewater interfaces"" J. Electroanal. chem.,.

  • [文献書誌] Takashi Kakiuchi: ""Mechanism of the transfer of alkali- and alkaline-earth metal ions across the nitrobenzene-water interface"" J. Colloid Interface Sci.,.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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