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1991 年度 実績報告書

プラナリアの再生に於けるメラトニンの生理機能と遺伝子発現

研究課題

研究課題/領域番号 03804059
研究機関群馬大学

研究代表者

篠沢 隆雄  群馬大学, 工学部, 助教授 (30025449)

研究分担者 小林 悟  筑波大学, 生物科学系, 助手 (90225508)
キーワードプラナリア / 再生 / メラトニン / 生理機能 / 遺伝子発現 / 勾配物質 / モルホゲン
研究概要

眼や脳を持つ生物でありながら切断されると再生し完全な2個体になってしまう!プラナリアのこの強い再生力に秘められた生物学的に重要な問題、すなわち、再生時の頭の位置や数の決定、器官の分化誘導、などを解明すべくメラトニンに着目して研究し、以下の事を明かにした。
1.プラナリアの分裂を阻害する、メラトニンは再生を特異的にかつ可逆的に阻害する。類似体である、セロトニン、Nーアセチルセロトニン、6ーヒドロキシメラトニンは阻害しない。また、メラトニンを除去すると阻害は解除される。2.メラトニンによる再生の阻害は目の再生は阻害せず、頭部(すなわち脳)および尾部の再生を阻害する。3.抗メラトニン抗体を用いたラジオイムノアッセイにより、メラトニンがプラナリアの頭部に高く、尾部に低い濃度勾配を形成している。4.プラナリアの頭部または目にはカエルロドプシンと免疫学的に類似な、分子量65,000と62,000の蛋白質が存在し、頭部再生のマ-カ-として利用可能である。5.メラトニン合成系の酵素である、Nーアセチル転移酵素、ヒドロキシインド-ルOーメチル転移酵素の遺伝子(cDNA)を用いたプラナリアDNAとのサザンハイブリダイゼ-ションにより、プラナリアにはこれらの酵素の遺伝子が存在するらしい。6.培養細胞をモデルとしたアッセイ系を用いて、プラナリア頭部抽出液が細胞増殖を阻害する事。カラムクロマトグラフィ-によりこの抽出液を部分精製した。この標品はプラナリアの頭部再生を阻害する事。7.プラナリア頭部抽出液の濃度を低下させると、目が再生するが、頭部が小さく、脳の再生が阻害されている事が示唆された。8.この様な活性は尾部抽出液にも部分的に検出される事。9.再生のマ-カ-確立のために、プラナリアの腺細胞などに特異的なモノクロ-ナル抗体を作成した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Y.Nakaoka,R.Tokioka,T.Shinozawa,J.Fujita,and J.Usukura: "Photoreception of Paramecium cilia:localization of photosensitivity and binding with antiーfrogーrhodopsin IgG." J.Cell Science. 99. 67-72 (1991)

  • [文献書誌] J.Fujita,N.Sakurai,and T.Shinozawa: "Presence of Rhodopsinーlike Proteins in the Planarian Head." Hydrobiologia. 227. 93-94 (1991)

  • [文献書誌] Y.Yoshizawa,K.Wakabayashi,and T.Shinozawa: "Inhibition of planarian regeneration by melatonin." Hydrobiologia. 227. 31-40 (1991)

  • [文献書誌] K.Hoshino,K.Ohnishi,W.Yoshida,and T.Shinozawa: "Analysis of ploidy in a planarian by flowcytometry." Hydrobiologia. 227. (1991)

  • [文献書誌] 岩本 昌之,篠沢 隆雄: "生物教材としての細菌.V.身の回りの変異原抑制因子を検出する方法。" 科学教育研究. 15. 40-45 (1991)

  • [文献書誌] 岩本 昌之,篠沢 隆雄: "生物教材としての細菌.VI.大腸菌を用いた遺伝子発現機構の教材化。" 科学教育研究. 15. 48-54 (1991)

  • [文献書誌] 吉田 渉,桜井 敬子,篠沢 隆雄: "枯草菌を用いた形質転換ーDNAの遺伝物質としての確認ー。" 遺伝. 45. 25-27 (1991)

  • [文献書誌] 須永 智,篠沢 隆雄: "心拍に対する化学物質の作用ートリ胚の教材化。" 遺伝. 45. 45-48 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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