研究課題/領域番号 |
03805007
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 隆次 京都大学, 工学部, 助教授 (20026339)
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研究分担者 |
梅田 吉邦 京都大学, 工学部, 助手 (30026132)
八田 夏夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026041)
森岡 茂樹 京都大学, 工学部, 教授 (60029395)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 混相流体 / 微小気泡群 / ノズル流 / 流れの不安定性 / ボイド波 |
研究概要 |
1.変形を伴う単一気泡回りの流れを数値的に解析するための数値スキームを完成し、スーパーコンピュータにより実際に計算を行った。これにより気泡形状及び効力係数をレイノルズ数とウェーパー数の関数として決定する手法を確立した。 2.気泡流を記述するためのモデル方程式を完成し、気泡流の特性(特に速度滑りと流れの不安定性の関連)の詳細な解析を行った。その結果、気泡・液体間の速度スベリをもたらす原因として、圧力勾配、仮性慣性力及び二相の加速度の相違が主要な原因と成り得ることが証明された。二相間の速度スベリは流れ場の不安定性に直接的に関連しており、さらに実際の流れでは、ある程度この不安定性を押さえるメカニズムが存在する可能性が大きいことが明らかになった。そのメカニズムの一つは気泡のランダム運動に起因する気泡の拡散効果であり、もう一つはボイド率の非一様性に起因する気泡間の反発力の効果である。これらの効果は確かに速度スベリに基ずく流れの不安定化を押さえる効果があることを理論的に証明、また数値計算により確認した。 3.可視化実験により得られた気泡群の流動特性は予想よりはるかに複雑で、少なくとも現段階では理論的に説明不可能と思われるいくつかの奇妙な現象が観測された。これらの現象が流れの不安定性に関連したものか、あるいは気泡相の流れの本質的な特性で、ある条件下で安定的・定常的に存在しうるものかは、今後の研究により解明されねばならない重要な問題であろう。 4.不純物あるいは界面活性剤の効果についても、その定量的な評価が実験的・理論的に困難であり、今後の問題として残された。
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